こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
今回の記事から、
「マーケティング完全版」と題して、
最新の知見も交えたマーケティングの真髄を
全5回のシリーズ形式でお伝えします。
なぜ、私がこのテーマを選んだのかわかりますか?
それは、ほとんどの人はマーケティングについて
完全に間違った知識を持っているからです。
デタラメなマーケティングを実践していると、
ビジネスを成長させるどころか
続けることすら難しくなる可能性もあります。
ですので、今回は9割の人が間違っている、
マーケティングの「本当の意味」を、
エビデンスとともに紹介します。
あなたの生涯収入が、
一ケタ変わるくらい重要な話なので
ぜひこの記事を最後まで読んでください。
=======================
『 マーケティング完全版(第1回目)』
マーケティングの嘘
=======================
起業家のあなたに質問です。
あなたは、マーケティングのことを
「集客」や「広告」のことだと思っていませんか?
もしそうなら、それは「完全に」間違いです!
なぜなら、マーケティングは
そんな狭い範囲を示す言葉ではないからです。
具体的には、マーケティングが示す範囲は
以下のとおりです。
リサーチ、市場調査、分析、商品開発、
設計、ブランディング、値付け、広告、
宣伝、広報、販売促進、流通、
マーチャンダイジング、店舗設計、
営業、集客、接客、顧客対応、顧客管理……
すごく広いですよね?
でも、こういった要素は
マーケティング全体の流れからすると、
3つあるステップのうちのどれかを
達成するための手段にすぎません。
マーケティングの3ステップとは何かというと、
以下です。
ステップ1 売れる商品を作る
ステップ2 商品をコア層に売る
ステップ3 商品をモア層に売る
「えっ、この3つしかないの?」
って思いましたか?
はい、そのとおりです。
まずは、この3つを覚えておけば十分です。
なぜなら、この3つがマーケティングにおける
最上位概念だからです。
ちなみに、「コア層、モア層ってなに?」と
思ったかもしれません。
これは私が独自に作った用語ではなくて、
P&G出身のマーケターが言っていた言葉になります。
今から、それぞれのステップを
説明するので安心してください。
===================
ステップ1「売れる商品を作る」
===================
3つの中でもっとも重要なのが、
このステップ1の「売れる商品を作る」です。
重要なのでメモしておいてください。
マーケティングにおいて、
もっとも重要なのは商品開発なんです!
「えっ、なぜ商品開発が重要なの?」と、
意外に思うかもしれませんが、理由は簡単です。
売れない商品をいくら売ろうとしても、
売れないからです。
たとえば、押し花を売るビジネスを考えてみてください。
押し花がほしい人って、少ないうえに
その気になれば自分でも作れますよね?
つまり、需要も供給も少ないんです。
物の値段は需要と供給で決まるので、
押し花はどうしても安価になります。
実際に楽天市場で調べてみると、
押し花20枚が500円で販売されていました。
こんなに安い押し花のビジネスを
軌道に乗せるのは無理ゲーですよね?
つまり、これはもう商品開発の時点で失敗しているんです。
後から集客や広告や営業をいくら頑張っても
取り返しがつきません。
だから、商品開発が何より重要なのです。
===================
ステップ2「コア層に売る」
===================
商品ができたら、まずはコア層に売ります。
コアを直訳すると「芯」とか「核」という意味です。
つまり、コア層とは、その名前の通り
「そのジャンルのコアな(核となる)ユーザー」
を指します。
新商品を買ってくれる、購買熱が高い層ですね。
たとえば、牛丼の吉野家において
コア層は誰でしょうか?
答えは男性客です。
ほら、吉野家というと
男性のビジネスパーソンやトラック運転手が
客層のイメージがありますよね?
ここまでの話を聞いて、
あなたはこう思ったかもしれません。
「なるほど。商品を買ってくれやすいコア層に
ずっと売り続ければいいのね」と。
いいえ、それじゃダメなんです。
コア層に売り続けていくと
そのうち売上が伸び悩んでしまいます。
なぜなら、コア層の絶対数は
少ないことがほとんどのため、売り切ってしまうからです。
そこで次は、ステップ3の「モア層に売る」に進みます。
===================
ステップ3「モア層に売る」
===================
モアとは「より多くの」という意味ですよね?
ですので、ここでいうモア層とは
そのジャンルの商品を、
普段はあまり買わない人たちのことを指します。
ただし、商品の切り口や見せ方を変えたら
買ってくれます。
牛丼の吉野家において、モア層は誰でしょうか?
答えは、女性客や家族客などです。
モア層まで客層を広げることができれば、
ビジネスを大きくしていくことができるのです。
このマーケティングの全体像を説明したのが、
南オーストラリア大学のジョン・ドーズの
2016年の論文です。
ちなみに、なぜエビデンスとして
大学の論文を紹介するのかわかりますか?
それは、大学の論文などは、統計学に基づいて
再現性が高いかどうかを分析しているので、
信頼性が高いからです。
ジョン・ドーズの論文は
あなたが英語が得意であれば読んでみてください。
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/cb.1595
この論文では、市場シェアを前年に比べて伸ばした
10の消費財ブランドを調査しています。
この調査によると、市場シェアが伸びたときは
モア層の購入が大幅に増えることがわかっています。
吉野家で言えば、コア層の男性客だけでなく
モア層の女性客や家族客が買ってくれたということです。
もちろん、コア層のリピート購入も増えていますが
モア層の新規開拓の購入のほうが
はるかにウェイトが大きかったのです。
このマーケティングの3ステップが、
実際にどう使われているか見てみましょう。
あなたはチョコザップ(chocoZAP)を
知ってますよね?
チョコザップは最初、
「月3,000円の格安スポーツジム」として
スタートしました。
これがステップ1の「売れる商品を作る」です。
次に、スポーツジムに通っている人や
通ったことがある人に向けて広告を打ちました。
これがステップ2の「商品をコア層に売る」ですね。
そして、チョコザップは今、
スポーツジム以外のサービスを
どんどん増やしているんです。
歯のホワイトニングやネイル、
勉強やテレワークのためのワークスペース、
マッサージチェア、カフェ、セルフエステ、
ゴルフまで提供しているんですよ。
これが、ステップ3の「商品をモア層に売る」です。
今までスポーツジムに通ったことがない人も
引き込んだ結果、今やチョコザップは
会員数が100万人と業界で最多になりました。
すごいですよね?
まさにエビデンスどおりのマーケティング戦略です。
マーケティングの本当の意味を
わかっていただけましたか?
重要なので繰り返します。
1.売れる商品を作る
2.商品をコア層に売る
3.商品をモア層に売る
この3ステップが本当のマーケティングです。
3ステップを知らないと、
いつまでもコア層にだけ売り続けてしまい
長期的には売上が伸び悩みます。
ヤバいと思いませんか?
でも、3ステップを知っても
まだ具体的にどのように実践すればいいのか
わかりませんよね?
安心してください。
次回、私が3ステップそれぞれを、
実践レベルに落とし込んで解説しますね。
=======================
以上、「マーケティング完全版」の第1回目でした。
このシリーズでは、10年後、20年後にも役立つ
本物のマーケティングの情報をお伝えするので、
ぜひ次回も読んでいただければと思います。