
こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
前回から、
「プライドが高いのに劣等感も強い原因は?」という
シリーズ形式の記事を書いています。
第1回目の前回は、
「プライドが高いのに劣等感も強い」という
矛盾した感情が、どのように生み出されるのかを解説しました。
そして、このような人は完璧主義や自己正当化、
他人との比較、他人を見下す、孤独などの問題を抱え
惨めな人生になりやすいこともお伝えしました。
もしまだ読んでいない場合は、
ぜひ前回の記事を読んでみてください。
今回は、5つの中でも特に多くの人が苦しんでいる
「完璧主義」の克服法を解説していきます。
あなたは、「完璧を目指すあまりに前に進めない」
という状況を繰り返していませんか?
「怖いからもう少し勉強してから挑戦しよう」
「失敗したら恥だから完璧に準備しなきゃ」
そう言いながら、いつまでも行動できない。
これが、
「プライドが高いのに劣等感も強い人」
によくある、完璧主義の罠です。
実は私も、過去には
「完璧な人間にならなければいけない」と思うあまりに
行動できず、ビジネスがうまくいきませんでした。
しかし、心理学を学んで実践した結果
完璧主義から解放されて身軽に行動できるようになりました。
おかげで、今ではストレスなく
ビジネスで成果が出せるようになっています。
あなたも、ここでお伝えする方法を実践すれば
「完璧を目指すあまりに前に進めない」
という状況から抜け出せるはずです。
エビデンスに基づいた再現性の高い方法なので、
ぜひ最後まで読んでください。
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『 プライドが高いのに劣等感も強い原因は?
(第2回目)』
恥と恐怖が生む完璧主義の治し方
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さて、プライドが高いのに劣等感も強い人は
なぜ完璧主義になってしまうのでしょうか?
その原因は3つあります。
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1.失敗に対する極度の恐怖心
「失敗とは自分の弱さであり、恥である」
と考えるため、完璧な準備をすることで
失敗のリスクを最小限にしようとします。
2.劣等感を打ち消したい願望
高い目標を立て、達成することで
「自分はダメ人間ではない」と証明しようとします。
3.他者評価への依存(低い自己評価)
根本的に「自分には価値がない」
と思っているため、完璧な結果を出すことで
周りから評価してもらいたいと考えます。
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しかし、こういった考え方では
絶対にうまくいきません。
なぜなら、そもそも完璧な自分になることなんて
誰にもできないからです。
まず、あまりにも高い目標を設定すると
ほとんどの人は行動できなくなります。
「どうせ、行動したってそんな高い目標を
達成できるわけがない」と
無意識のうちに考えてしまうからです。
その結果、挫折してしまいます。
当たり前ですよね?
さらに深刻なのは、仮に目標を達成しても
刹那的な快楽が得られるだけで
幸せにはなれないということです。
なぜなら、完璧主義者は目標を達成したら
「もっと上を目指さなければならない」と
考えてしまうからです。
たとえば、私の場合
年収が1,000万円→2000万円→3000万円と
順調に上がっていったフェーズがありました。
ですが、目標を達成したら
「もっと高い年収を目指さなければ……」と
達成感よりも焦りが募りました。
これは、砂漠の蜃気楼を追いかけ続けるようなものです。
近づいたら遠くに行ってしまうので、
いつまでたっても到達できないのです。
その結果、必ずどこかで目標達成に失敗します。
そして、「あぁ、やっぱり自分はダメ人間なんだ」
と、自分の劣等感と直面してしまうのです。
そして、多くの人はそのタイミングで
燃え尽き症候群になりがちです。
厄介ですよね?
でも、本人は別に
完璧主義になりたくてなっているわけじゃありません。
そりゃあそうですよね?
恥や恐怖に突き動かされていて、
完璧主義になって「しまっている」わけです。
ですから、「完璧主義は絶対的な悪だ」
とは考えないでください。
心理学をあまり学んでいない人や
古臭い自己啓発を伝えている人は、
完璧主義を悪者扱いします。
しかし、完璧主義とは
「自分を守ってくれるための愛」なんです。
要は、あなたを守ってくれてきたものなんです。
なので、安心な状態を維持しながら
完璧主義を少しずつ外していくことがポイントなんです。
では、どうすれば安心な状態を維持しながら、
完璧主義を少しずつやめていけるのでしょうか?
それは、最新の心理学の観点からいうと
「完璧主義の逆をやる」ということです。
たとえば、わざと小さな失敗をしてみる、
完璧ではない状態でタスクを終わらせてみる、
などですね。
これは心理学用語で、「暴露療法」と言われます。
つまり、自分自身の弱みをさらけ出すことで
「完璧でなくても大丈夫なんだな」と、
腑に落ちる心理療法です。
「弱みをさらけ出しても大丈夫なの!?」と
感じるかもしれません。
今まで完璧主義で行動していた人にとって、
弱みをさらけ出すことはとても不安なことですよね。
誤解のないようにいうと、
いつでもどこでも弱みをさらけ出すわけではありません。
世の中には完璧が求められるものもあれば、
そうでないものもあります。
なので、完璧が求められない分野においてだけ
弱みをさらけ出してみることです。
たとえば、まずは重要度が極めて低い仕事や
個人的な趣味などで、
あえて小さなミスをしてみましょう。
完璧ではない自分を経験して、
かつ「それでも大丈夫だ」と感じることで、
失敗への恐れが和らぎます。
そして、こうした経験を積み重ねることで
完璧主義へのこだわりも減っていきます。
そうすると、どんなメリットを得られると思いますか?
まず、完璧を目指すための過剰な準備がなくなったり
恐怖や恥の感情が減ります。
さらに、不完全な自分を受け入れられるようになると
ありのままの自分に対しての肯定感が高まります。
これが、あなたに最も手に入れてもらいたい結果です。
私がこの暴露療法をクライアントにアドバイスすると、
最初は大体こんな反応が返ってきます。
「わざとミスをするなんて、
かなり抵抗があります」と。
でも、実際にやってみると、このように言ってくれます。
「『確かに完璧じゃなくても良いんだな。
次からはもう少し不完全にしてみようかな』
と感じました」と。
さて、「暴露療法って本当に根拠があるの?」
と思うかもしれません。
もちろんあります。
エビデンスとなるのは、
インドのマニパル・タタ医科大学の2023年の論文です。
この研究によれば、
暴露療法を6週間行ったことによって、
恥のスコアが3.42から1.89へ減少しました。
さらに罪悪感のスコアも4.01から2.12へ減少しました。
つまり、自分を批判するような考え方が
かなり改善したことがわかります。
論文のリンクを貼っておくので、
興味があれば読んでみてください。
Letting Go of Grudges: An Intervention-Based ERP Study Among Patients with ADS
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11062307/
今回は、「プライドが高いのに劣等感も強い人」の
問題点として、「完璧主義」について解説しました。
私は、自分の心理学講座の中で
参加者に暴露療法を勧めてきました。
その経験から、
暴露療法の効果の高さを確信しています。
あなたも、ぜひ試してみてくださいね。
さて、次回は
「自己正当化の問題点と克服法」を
最新の心理学の観点から解説します。
あなたは、失敗したり、
他人からアドバイスをもらったりしたときに
自分の弱さを真摯に受け止めていますか?
自己正当化して、言い訳したり、
責任転嫁したりしてしまうことがあるのなら、
次回も必見です。
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以上、「プライドが高いのに劣等感も強い原因は?」
の第2回目でした。
次回、またお会いしましょう。