
こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
今回からの記事は、
「プライドが高いのに劣等感も強い人」の
心理的な背景と克服法を、シリーズ形式でお伝えします。
あなたはプライドの高さから、
自分には不相応な目標を設定したり
過剰に自己正当化したりしたことはありませんか?
そんな傲慢な心を持っているにもかかわらず、
自分はダメな人間だという感覚や
慢性的な恥の感情を抱えていないでしょうか?
そして自己嫌悪に陥って、「こんな自分を変えたい」
と思っているかもしれません。
実は、私自身もかつてはそうでした。
幼少期に父親から虐待を受けたことがきっかけで、
長年生きづらさを抱えていました。
でも、心理学を学びながら心を整えていき
今では自分の過去や弱みを
オープンに話せるようになりました。
こうした経験をもとに、
起業家を対象にした心理学講座を開き、
数千人の参加者の人生を変えるお手伝いをしてきました。
今回は、その講座の中で有料で伝えてきた内容を
出し惜しみなく紹介します。
起業家に限らず、自分のメンタルを整えたい人にも
きっと役立つはずです。
もし、あなたが
「自分を変えたいけど、うまくいかない」
と感じているなら、ぜひ最後まで読んでください。
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『 プライドが高いのに劣等感も強い原因は?(第1回目)』
傲慢なのに打たれ弱いのはなぜ?
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さて、一般的には
「プライドが高い人は劣等感が『弱い』」と
考えている人が多いです。
プライドが高い人は、
自信もありそうに見えるからですね。
しかし、これは間違っています。
真実は、「プライドが高い人は劣等感も『強い』」のです。
つまり、プライドが高い人は
「実は自信がない」ことが多いんですね。
なぜだかわかりますか?
結論からお伝えしましょう。
プライドの高さと劣等感の強さは、
次の5ステップから生み出され、共存することが多いです。
ステップ1:劣等感が生まれる
ステップ2:完璧な理想像を思い描く
ステップ3:
理想と現実のギャップでストレスが生まれる
ステップ4:防衛機制の反動形成が働く
ステップ5:プライドが高くなる
「なんとなく5ステップはわかったけれど、
具体的にはどういうこと?」と思いますよね?
これから、ステップ1から順に説明します。
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ステップ1:劣等感が生まれる
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家庭や学校、人間関係が原因で、
「自分はダメ人間だ」という感覚を持ってしまいます。
あなたもそんな経験ありませんか?
また、生まれつき繊細でメンタルが弱く
落ち込みやすい人も劣等感を抱きやすいです。
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ステップ2:完璧な理想像を思い描く
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「自分は価値がない人間」だとすると
「逆に、価値がある人間とはどんな人間だろう?」
と考えます。
そして、「完璧な理想の人間」を思い描くわけです。
【完璧な理想像の例】
起業家:
「収入が高い人」
「売上を上げられる人」
会社員:
「仕事を完璧にこなす人」
「誰とでもうまく付き合える人」
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ステップ3:
理想と現実のギャップでストレスが生まれる
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「本当の自分はもっとすごいはず」
「でも現実の自分は、
その理想に届いていない」
「だから、今の状態が苦しい」
このような感覚に苦悩します。
あなたも、同じような心境になったことが
ありませんか?
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ステップ4:心を守るために反動形成が働く
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反動形成とは、
「本心とは正反対の態度をとる」ことです。
有名な例が、「思春期の男の子が、
好きな女の子に対してあえて意地悪をする」
といったものですね。
同じように、劣等感で苦しんでいる人は
ストレスを和らげるために、
完璧な理想像を「演じる」ようになります。
しかし、演じているだけなので
自分の状況は何一つ変わっていません。
なので、「本当の自分はダメ人間だ」と
感じている自分もいます。
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ステップ5.プライドが高くなる
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完璧な理想像を演じると、
一時的に「俺は完璧だ」と気分が高揚し
プライドや自信が過剰になります。
そして、攻撃的で、自己主張が強く、
人の意見を受け入れないなどの傲慢な状態になります。
とはいえ、劣等感が強い人は、
そんな自分を恥じる気持ちもあるため
相反する感情に疲れてしまうのです。
以上の5ステップが、
劣等感が強い人がプライドも高くなってしまう原因です。
この原因に気づいて変えない限り、
克服できないのです。
そしてここまで説明すれば、
賢明なあなたならわかると思います。
プライドが高いのに劣等感も強い人は、
本質的には「自分が嫌い」なんですね。
自分のことを「ダメ人間だ」とか「ゴミクズだ」
と思っていて、自分には価値がないと感じているんです。
そこで、「あなたは自分をどれくらい嫌いなのか」
を、簡単に診断しましょう。
今から私がお伝えする項目に、
あなたは何個当てはまりますか?
数を数えてください。
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□人前に出るのが怖く、
注目されたくないと感じることがある
□自分の言動は恥ずかしいことではないか
と感じることがある
□自分の存在そのものが場を汚していると
感じることがある
□誰でもいいので、自分以外の存在に
なりたいと感じることがある
□魅力的な人を見て、自分には全然
魅力がないと感じることがある
□誰かから「好き」と言われても、
「嘘だ」とか「この人は見る目がない」
と思ってしまうことがある
□自分のような人間が、
人様を好きになるなんておこがましい
と感じることがある
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もし複数の項目に該当するなら、赤信号です。
つまり、「自分が嫌い」という状態です。
ちなみに、昔の私は
半分以上当てはまっていました。
その結果、「プライドが高いのに劣等感も強い」という
一見、矛盾して見える状態になっていました。
つまり、メンタルが強そうに見えて
実は弱い状態だったんです。
では、ここからが重要です。
プライドが高いのに劣等感も強いと、
今後どのような支障が出てくると思いますか?
ここでは問題点を5つご紹介しましょう。
あなたも当てはまっていないか、
チェックしてみてください。
【1.完璧主義】
「周りから失望されたくない」
という恐れから、高すぎる目標を設定したり
ミスを防ごうと神経質になりがち。
その結果、疲れてしまい成果を出せず、
自分を責めることも多い。
【2.自己正当化】
自分に自信がないため、
人から馬鹿にされないように過剰に自己正当化をする。
たとえば、他人から批判されると
攻撃的な態度を取ったり、
建設的な批判でさえも受け入れられず
成長のチャンスを自ら潰してしまう。
【3.他人と自分を比べる】
他者と自分を比べて、
相手の成功を謙虚に受け入れられず
嫉妬や劣等感を抱きがち。
SNSなどで、他人の華やかな人生を見て
落ち込むことが多い。
【4.他人を見下す】
見栄を張ったり、自分の知識や能力を
アピールしたりしようとする。
自分が見下せると思った人に対して
心の中で優越感を抱くが、そんな自分に嫌悪感も抱いている。
【5.孤独】
周りから孤立しやすいため、孤独を感じやすい。
「本当の自分を受け入れてくれる人は
誰もいないだろう」と感じているため
親密な関係を築けない。
以上が、
プライドが高いのに劣等感も強い人の
5つの問題点です。
1の完璧主義と、2の自己正当化の2つは
わりと多くの人にあてはまります。
そして、さらにメンタルが悪化すると
残りの3つも当てはまる場合があります。
あなたは、いくつ当てはまっていましたか?
さて、ここまでの話を理解してもらえたなら
本当に嬉しいです。
なぜなら、プライドが高い人ほど、
今回の話を受け止めるのは大変なはずだからです。
だって、今まで自分が見ないようにしてきた
厳しい現実と直面するのは辛いですよね?
でも、こんな風に悩んでいるのは
あなただけじゃないんです。
私は長年、心理学の講座をやってきたので知っています。
悩んでいる人は実はたくさんいるけれど、
恥ずかしくて誰にも相談できないんです。
あなたもそうじゃないですか?
だから、あなたは決して一人じゃありません。
そして、一番伝えたいのは
「あなたはあなたのままでいい」ということです。
これは、私自身が悩んでいたときに
一番言って欲しかった言葉です。
誰も言ってくれなかったからこそ、
同じように悩むあなたに伝えたい。
劣等感が強すぎる場合、
私にこう言われても信じられないかもしれません。
ですが、それでもお伝えしたいのです。
今回は、プライドが高いのに劣等感も強い原因を
解説しました。
もしあなたが、「自分のこと嫌いだ」
と感じているなら、そんな自分を変えたくないですか?
ただ、メンタルの問題や克服法について
説明するとかなり長くなるので、続きは次回にしますね。
次回は、前述した5つの問題点のうち
「完璧主義の問題点と克服法」について
最新の心理学の観点からお伝えします。
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以上、「プライドが高いのに劣等感も強い原因は?」
の第1回目でした。
次回も、楽しみにしていてください。