こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
先日、起業家から次のような相談を受けました。
「今のビジネスのスタッフを増やしてみたら、
お客さんの反応にムラができちゃったんです。
すっごく感動してくれるお客さんも増えましたが、
怒って苦情を言うお客さんも増えてます。
これはなんなんでしょう?
私1人でビジネスをしていたときは
こんなムラはなかったんですが……」
要約すると、「スタッフを増やしたら、
お客さんの反応のムラができた」という悩みですね。
これは、1人でビジネスをしていた人が、
外注、スタッフ、社員などを増やしたときに
ありがちな問題です。
さて、この悩みを解決するには、どうしたらいいと思いますか?
冒頭の起業家に私がアドバイスしたのは、
「まずはマニュアル化して、
担当者ごとの行動のムラをなくすといいですよ」
ということでした。
なぜなら、担当者ごとの行動のムラがあるほど、
お客さんの反応に差が生まれやすくなるからです。
たとえば、ある会社の顧客サポートに対して、
あなたがメールで問い合わせをしたとします。
すると、その会社の担当者はAさんで、
申し込みからわずか1分で返信してくれました。
文面はシンプルだったものの、とにかく反応が早いわけです。
するとあなたは「この会社は顧客対応のスピードを
大切にしているんだな」と感じるでしょう。
スピード感のある顧客対応が好きな場合は、
リピートするかもしれません。
ところが後日、同じ会社にメールを送ったときは、
担当者がBさんだったとします。
そして、Bさんはメールの文章の推敲に
時間をかけるタイプだったのです。
そのため、文章が丁寧ではあるものの、
返信が届いたのは翌日以降でした。
すると、あなたはどう思うでしょうか?
「あれ、前回よりかなり返信が遅い。
期待していた対応と違う」と、感じますよね。
スピード感のある対応が好きだった場合は、
リピートをやめるかもしれません。
この事例の興味深いところは、
AさんもBさんも対応自体には問題がないことです。
「丁寧なメールを翌日以降に返信する」
というBさんの行動は、非常識でもないですよね?
にもかかわらず、担当者のAさんとBさんの比較で、
お客さんはがっかりすることがあるのです。
そして、こうしたお客さんの反応を
経営者側はよく見落としてしまいます。
なぜなら、個別で見れば担当者のAさんとBさんは
どちらも問題がないからです。
「一体お客さんはなぜ不満を持ってるんだろう?」
と、改善点を把握できなくなるのです。
これはあくまで一例ですが、担当者ごとにムラがあると
こうした問題が起きがちです。
ですから、担当者が増えた場合はマニュアルを作って、
担当者ごとの行動のムラをなくす必要があるのです。
前述の例で言えば、メールの返信では
「数分以内に簡易的な文章を送るのか」、
「翌日以降に丁寧な文章を送るのか」、
ハッキリ決めたほうがいい。
こうした考え方は大企業であれば当たり前ですが、
1人ビジネスから始めた起業家は忘れがちです。
1人ビジネスは同じ人間が対応するので、
あまりムラが発生しないからでしょう。
ですが、メンバーが増えた場合は、
行動のムラができないようにマニュアル化してください。
お客さんの満足度やリピートに関係しますし、
改善点の把握もしやすくなっていきます。