こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
「人間の個体差なんて小さなものです!
だから、誰かにできたことはあなたにもできます!」
このような世迷い言を
自己啓発の講師が語っていることがあります。
ですが、私から見ると噴飯ものです。
なぜなら、小さな個体差であっても、
現代社会の中では大きな差を生み出すからです。
そのため、
「誰かにできたことはあなたにもできる」なんて
私は絶対に言えません。
たとえば、容姿について考えてみましょう。
健康的な人であれば、目、鼻、口、耳といった
パーツの位置関係はほとんどの人が同じになっています。
そのため、ヒトという種を俯瞰で見れば
誰だって似たようなもので、
個体差が小さいと言えるかもしれません。
この点に関して言えば、
冒頭の自己啓発の主張もわかる部分があります。
しかし、考えてみてほしいのですが、
容姿における小さなちがいは、
人間社会の中では大きな差につながりますよね?
「もしクレオパトラの鼻がもう少し低かったなら、
世界の歴史は変わっていただろう──」という、
哲学者ブレーズ・パスカルの言葉のとおりです。
具体的に言えば、顔立ちが整っているほうが
恋愛で優位に立てるのは間違いありません。
また、ビジネスにおいても
容姿によって周りの人の反応は変わります。
以前も別の記事で書きましたが、美人と不美人では
生涯で1,200万円の収入格差があることが
統計の上でもわかっているくらいです。
ご参考:美人の本は売れる
とくに現代はインターネットがあるので、
全国、全世界にファンができて
収益化することもできるようになりました。
そうなると、顔立ちが整っているという小さな個体差が
何億円もの大きな収入の差になる場合もある。
当然ながら、これは容姿に限りません。
知能にしても、運動や音楽の才能にしても
小さな個体差で大きな差が生まれます。
たとえば100メートル走を11秒で走ることができても、
「素人にしては速い」という程度であって
社会的地位や収入にはつながらないでしょう。
ですが、100メートル走を9秒台で走れたら、
オリンピック選手として活躍し、
億円単位のCM出演料ももらえるかもしれません。
100メートル走におけるたった2秒のちがいで
人生が激変するのです。
そして、この2秒の差は遺伝的な才能が関係しており
努力だけでは絶対に埋められない。
このように小さな個体差であっても
現代社会では大きな差を生み出します。
その人に向いている分野では、
小さな個体差が圧倒的な強みになりますし、
その逆も然りです。
ですから、人間には得意不得意があり、
「誰かにできたことはあなたにもできる」
なんて幻想に過ぎません。
相馬一進