こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
ここ数年で多くのメディアが、
よく使うようになった表現があります。
それは「統計学な裏付けがある」という言葉です。
ベストセラーの本はもちろん、
テレビの健康番組でも「統計学的な裏付けが~」
といった解説が入ることが増えました。
この変化の一因は、IT技術の発達によって、
膨大なデータを高速で処理できるように
進化したためでしょう。
統計学的な分析が、手軽で高品質になったのです。
また、その変化にともなって
データに基づいて物事を考える重要性を、
多くの人が理解したのかもしれません。
このように統計学を重視する時代になったのは、
スピリチュアルやオカルトが流行るよりも
ずっといいと私は感じています。
ただし、同時に警鐘を鳴らしたいこともあります。
それは、「『統計学的な裏付けがある』
というフレーズを盲信してはいないでほしい」
ということです。
というのも、「統計学的な裏付けがある」といっても、
その信頼性には大きな開きがあります。
「●●と言えなくもない」というレベルから
「●●の可能性が高い」というレベル、
「絶対に●●だ!」というレベルまで、様々な段階があるのです。
にもかかわらず、世間には
「統計学的な裏付けがある」と聞くと、
無条件で信じてしまう人は本当に多い。
そういった人は、統計学に弱いので、
言わば“統計弱者”と呼べるでしょう。
“統計弱者”の特徴は、
「統計学はすごいらしい」と思っているだけで、
実際は統計をまるでわかっていないことです。
そのため、「統計学的な裏付けがある」という表現を
「芸能人の◎◎も絶賛」といった広告と同じように、
ただ鵜呑みにしているのです(苦笑)。
昨今では、そんな“統計弱者”をだますために、
「統計学的な裏付けがある」と称する、
うさんくさいメディアが実際に増えています。
“統計弱者”はメディアの嘘を見抜けないので、
すぐに間違った判断をして、
お金や時間をムダにすることでしょう。
たとえば、ダイエットです。
統計学に全く効果がないどころか、
逆に太るダイエットが数多くあります。
そうした逆効果のダイエットに
高いお金を払ってしまう“統計弱者”を
私はたくさん見てきました。
では、そういった“統計弱者”から脱却するには、
どうしたらいいのか?
それは、統計学の基本を理解しておくことです。
複雑な計算式などは、別に知らなくてもかまいません。
とはいえ「この統計はこういった意味だ」
といった判断くらいは、自分でできるのが望ましい。
私自身、会社のデータを統計学的に分析して
マーケティングに活かして売上を伸ばしています。
また、健康診断などの結果についても
自分でデータを見て判断してきました。
あなたも、ぜひ統計の基本を学んでみてください。
ちなみに、ご存知の方も多いでしょうが、
文部科学省の発表によると、
今後は学校教育でも統計学の授業が増えています。
高校はもちろん、中学校、小学校にも、
基本的な統計学のカリキュラムが入る方針です。
そのため、今後の若い世代は、
“統計強者”がどんどん増えていくでしょうね。
言い換えると、“統計弱者”は時代に取り残されて、
若い世代についていけなくなるのです。