こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
色々なチームメンバーを見てきて感じるのは、
「その人が、過去に何に感動したかを聞けば、
その人の適性がある程度わかる」
ということです。
たとえば、マーケターとして適性がある人だと
「●●という商品のプロモーションに感動した」
などと回答するんですよね。
一方で、いくらマーケティングを教えても
マーケティングがうまくならない人ほど
マーケティングに感動しないのです。
マーケティングに感動しない人って、もう、
マーケティングがうまくなる見込みが薄いのです。
なぜでしょうか?
私たちって、脳のデータベース(記憶)があって、
それを使う形で仕事をしますよね。
当然ですがマーケターとして実力がある人は、
脳のデータベースにすばらしいマーケティングの事例が
たくさん入っているのです。
そして、新しくマーケティングをするときには
その事例の中から最も使えそうな事例を思い出して
活用するわけです。
さて、人は何かに感動したとき、脳内では扁桃体が動き、
強く記憶にとどめます。
逆に言うと、人間の脳は、強く感情が動かないと、
ほとんどと言っていいほど記憶しません。
ですから、マーケティングに感動する人ほど、
マーケティングの事例がたくさん脳内に溜まっていき、
いずれは素晴らしいマーケターになります。
一方、マーケティングに感動しない人だと
何年たっても脳の中にマーケティングの事例が
溜まっていかないので、いつまでも下手なままです。
これは他のジャンルでも同じです。
どんなにウェブデザインを教えても、
ウェブデザインがうまくならない人がいた場合、
「最近、感動したウェブデザインを教えてください」
と言っても、ほとんど答えられないのです。
なぜなら、ウェブデザインで感動することがないので
強く記憶に残ることもないからです。
逆に、素晴らしいウェブデザイナーは、
「A社のHPがよかった!」「B社のHPも綺麗だった!」
とどんどん思い出すことができます。
私が何を言いたいかわかりますよね。
(実際にウェブデザインをやってもらわないと
その実力は正確には判断できませんが、)
「最近、感動したウェブデザインを教えてください」
と質問をして、いくつも答えられる人であれば
ウェブデザインの適性がある場合が多いです。
感動したものを聞くという適性テストは、
「仮に本人が未経験だったとしても」
それなりの精度で判断することができます。
たとえば、学校を卒業したばかりの、
20歳前後の若者がいたとしましょう。
その人は、ウェブデザインを作るという仕事を
今まで一度もしたことがなかったとします。
けれども、経営者もしくは人事部の人が
「最近、感動したウェブデザインを教えてください」
と質問をして、いくつも回答できたのであれば
適性がある場合があります。
ですから、試しにウェブデザインの仕事を
その若者にやらせてみる価値はあります。
そうそう、そういえば。
以前、あるコピーライターに仕事を依頼したのですが、
あまりにもひどい出来だったことがあります。
それで、私が修正の指示をしたのですが、
それでも大して改善しなかったんですよね。
なので、もう一度私が修正の指示をしたのですが、
上がってきた文章はやっぱりダメなままで、
ほとんど直りませんでした。
それで、私が聞いてみたんです。
「あなたは過去に、コピーライティングを読んで
『これはすごい!』と感動したことはありますか?」と。
そうしたら、案の定、「ありません」という回答だったのです。
まあ、そういう人は
専業のコピーライターにはなれないですよね。
なにか自分の商品がありつつ、
それを売るためにコピーを書く……
くらいならギリギリできるかもしれません。
しかし、他社の商品を売って稼ぐような
バリバリ専業のコピーライターになれる適性はないと
私は判断しました。
要は、人は感動するものに適性がある確率が高く、
感動しないものには適性がない確率が高い、
という話です。