こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
組織化が不得意な経営者に
ありがちな失敗があります。
それは、工業製品のように
組織を管理することです。
たとえば、わずらわしいチェックシートや
スケジュール表を作って、
社員に押しつけてしまいます。
まるで精密機械の管理のような
細かすぎるマネジメントをするのです。
こうした工業製品的な組織化をすると、
ほとんどのスタッフの、
モチベーションが下がります。
自主的な行動はなくなり、
クリエイティブな提案はせず、
流れ作業をするだけになるのです。
また、社長は部下のチェックに追われ、
不要な事務手続きの繰り返しになる。
そういったダメ組織の
典型例になってしまいますね。
では、どのような組織が良いのか?
それは、感覚的な表現で言えば、
自然界のような組織化です。
言い換えると、ミクロな視点では混沌としており、
マクロな視点では整った組織とも言えるでしょう。
自然界は、細かく見れば凹凸だらけですが、
広い視点で見ると、美しく整っています。
たとえば、近くで木を見ると、
形がいびつで、ふぞろいです。
しかし、遠くから森を見れば、
芸術品のように美しく、科学の法則に沿って、
規則性のある成長をしていると分かります。
あるいは、個々の動物たちは
好き勝手に動き回っているだけです。
それでも、地球単位で見れば、
動物の食物連鎖によって、
巨大なエネルギーが循環しているのです。
組織にも同じことが言えます。
一人ひとりの人間の行動を、
ストップウォッチで測って、
型にはめる必要はありません。
それは言わば、木や動物を
すべて同じサイズの直方体に
カットしようとする愚行。
そうではなく、個別の人間はのびのびと
行動できる状態をつくりつつ、
全体に秩序を形成するのが望ましいのです。
自然界のような組織が作れると、
わずらわしい規則設定や、
チェック作業はなくなります。
それでいて、メンバーが強みを発揮し、
文字通り自然に、組織が成長していくのです。
とはいえ、こうした自然界のような組織化は、
自己流で行うと、ほぼ間違いなく失敗します。
たとえば、金銭管理が雑になり、
一部の社員が使い込みをするといった、
問題が起きるだけになるのです。
したがって、自己流で経営する人は、
工業製品のような組織になるのも、
致し方ないとも言えます。
専門家から組織化を学ばない限り、
抜け出すことはできないでしょう。