こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
少し変わった事例ですが、
「自分の強みを“使わずに”ビジネスで結果を出したい」
という人がたまにいます。
たとえば、講座やセミナーなどの
講師がこういったことを言うのです。
「参加者に結果を出してほしいので、
誰でもできる再現性の高いノウハウが知りたいです。
私自身の強みを使って結果を出しても、
他の参加者には再現性がありません。
なので、自分の強みを活かさないで
みんなが結果を出せるノウハウを見つけたいんです」
と。
本人もあまり成功していない、
小規模のコミュニテイの主催者などが、
こういった考え方をしがちかもしれません。
ただ、「“強みを使わずにビジネスで”結果を出す」
なんて、ハッキリ言って無理筋です。
数千人以上の個人事業主や起業家を
私は見てきましたが、長期的には不可能と言ってもいい。
その理由は2つあります。
1つ目は、強みを活かさないノウハウほど、
飽和しやすいからです。
たとえば、転売のノウハウは、
個人の強みの影響が小さい場合があります。
極端な話、仕入れ方法や販路を指定して、
全く同じ商品を同じ価格で売れば、
短期的にはみんな同じ結果が出せるでしょう。
いわゆる再現性が高いノウハウだと言えます。
ですが、再現性が高ければ高いほど、
全く同じことをする人が市場にあふれます。
すると、需要を供給が上回って、
すぐに飽和してしまうのです。
それこそ、同じコミュニテイの参加者全員が
同じ商品を同じ販路に出品したら、
たった1日で飽和するでしょう。
強みの影響が小さいノウハウだからこそ、
あっという間に稼げなくなるわけですね。
(転売であっても、長期的に結果を出す人は
業者と独占契約を結んだり、専門知識を活かしたり、
自分なりの強みを使っています。)
「強みを使わずにビジネスで結果を出すこと」が
無理筋である2つ目の理由は、
人間には個体差があるからです。
前述の転売のような
強みの影響が小さいノウハウであっても、
100%すべての人にはできません。
・単純作業に飽きてしまう
・人と話さずに黙々と作業を続けるのが苦手
・数字の管理が苦手でできない
・仕入れのリサーチに時間がかかりすぎる
・パソコンでの作業だと集中力が続かない
などなど、いろいろな理由で挫折する人がいます。
私自身、会社員時代にせどりを実践してみて、
単純作業すぎて飽きてしまった経験があります。
当時は挫折した自分を恥ずかしく感じていましたが、
今思えば遺伝的な特性も関係していたため、
しょうがない面もあったでしょう。
つまり、理論上は再現性の高いノウハウであっても、
そのノウハウが合わない人には実践できないのです。
さて、こうした事実から言えるのは、
「同じノウハウを使って全員がビジネスで結果を出す」
ということ自体が絵空事だということです。
人それぞれが自分の強みを活かしながら、
別々の方法で結果を出すしかありません。
相馬一進