こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
「パーキンソンの凡俗法則」という言葉があります。
これは、「組織においてちっぽけなことに対して、
不釣り合いなほど重きをおいてしまう」
という経験則のことです。
簡単に言い換えると、
「組織の中では、どうでもいいことほど話題になり、
労力を割いてしまいがちだ」といった意味になります。
これは、イギリスの政治学者である
シリル・ノースコート・パーキンソンが提唱した法則で
著書を通じて世界的に広まりました。
パーキンソンは、この法則を表すたとえ話として、
原子力発電と自転車置き場の議論を挙げています。
原子力発電は、エネルギーや環境の問題に関わる
人類にとって重要な議題です。
ですが、議論するには専門知識が必要なので、
あまり多くの人は議論しません。
原子力発電所建設の審議委員会に参加しても
ほとんどの一般人は黙っているのです。
一方、自転車置き場についての議論であれば、
誰でも簡単に参加できます。
「自転車置き場に屋根をつけてほしい」といった話は
小学生でも言えるからです。
そのため、一般人の間では原子力発電よりも、
自転車置き場の議論のほうが盛り上がってしまう。
これが、「パーキンソンの凡俗法則」が
当てはまる典型的な例です。
さて、先日から
クラゲ人間について私はお伝えしています。
(クラゲが海に流されるように、
情報に流されるだけの情報弱者を
「クラゲ人間」と私は呼ぶという話でした。)
このクラゲ人間が世の中に多いことにも
「パーキンソンの凡俗法則」に似た現象が
関係していると私は思います。
というのも、あらゆる分野において
本質的な情報はとっつきにくいものです。
たとえば、最新のオンラインマーケティングは、
聞き慣れない用語があり難しく感じると思います。
一方、芸能人の不倫などの低俗な内容は
多くの人がすぐに理解できます。
そのため、オンラインマーケティングの情報よりも
芸能人の不倫のニュースのほうが、
何倍も視聴率やPVが上昇しやすいのです。
そのため、広告収入を稼ぎたい
テレビ、新聞、ネット記事、動画などでは
低俗なニュースばかりが取り沙汰されます。
これは、一般人の間では原子力発電よりも
自転車置き場の議論が盛り上がる
「パーキンソンの凡俗法則」と似た状況です。
こうした構造があるからこそ、
低俗な情報に流されるクラゲ人間が
さらに増えてしまう。
これはメディアの関係者だけが悪いというより
構造的な問題なので、なかなか解決は難しいでしょう。
ただ、少なくともこの文章を読むあなたは、
低俗な情報に流されるクラゲ人間にならないように
注意してほしいと思います。
とはいえ、だからといってあらゆる情報を
避ければいいわけではありません。
なぜなら、最新の情報を知らないと
やはり時代においてかれるだけだからです。
それこそ、オンラインのマーケティングを知らないと、
ビジネスの売上も低迷しやすくなります。
お客さんの価値観も理解できなくなり、
「老害」と呼ばれる状態になりかねません。
これはマーケティングに限らず、
健康、投資、人間関係など他の分野にも言えます。
つまり、重要なのは
低俗な情報に流されないようにしつつ、
本質的な情報をインプットすることです。