こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
たまに、無形のサービスを売る個人事業主や起業家が、
動画の画質にムダにこだわっていることがあります。
たとえば、商品をセールスする動画を撮るために
高額なカメラに投資してしまうのです。
もちろん、美容系などの業種であれば、
動画の美しさが売上に直結する場合があります。
ですが、コンサルタント、士業、占い師などの場合、
画質を上げてもあまり成約率には関係しません。
もちろん、あまりにも映像が汚いと問題ですが、
スマートフォンでの撮影でも十分なくらいでしょう。
なぜなら、結局のところお客さんは、
販売者と直接やりとりできない動画には
そこまで反応しないからです。
言い換えると、直接やりとりできる対面や通話なら、
激しく反応します。
この傾向がよくわかるのが、人間の脳の反応を調べた実験です。
予防医療研究所代表の磯村毅さんが
日本小児科医会の資料に昆虫のホタルを子供に見せる
事例を紹介していました。
その実験では、動画でホタルを見せるグループAと
本物のホタルを見せるグループBに子供をわけて
脳の血流を調べています。
すると、動画のホタルを見たグループAの子供の脳は
さほど反応しなかったようです。
一方、本物のホタルを見たグループBの子供の脳は
前頭前野の血流が増え、激しく反応していたと言います。
まあ、現実のホタルのほうに強く反応するのは
当たり前に感じるかもしれません。
ただ、そもそもなぜ人間は
動画より現実に反応するのかわかりますか?
前述のとおり、その答えは「直接やりとりできるから」です。
というのも、動画のホタルには触れられませんし、
自分の身体に近寄ってくることもありません。
この時点で、どれほど高画質な動画であっても
人間の脳の反応は鈍くなってしまいます。
ところが、現実のホタルは、あなたから触れたり、
ホタルからあなたの身体に近寄ってきたりするでしょう。
虫の好き嫌いに関わらず、こうしたやり取りができると
人間の脳は激しく反応するのです。
これは、ホタルだけではなく人間の出演者でも同様です。
動画の出演者とは会話できませんが、
対面や通話なら直接やりとりできます。
この決定的なちがいがあるため、
どんなに画質にこだわったところで、
動画の反応には限界があるのです。
だからこそ、
ビジネスでお客さんの反応を取りたい場合は、
直接やりとりできる方法に持ち込むのがおすすめです。
私のざっくりとした経験則で言えば、
動画でのセールスの反応を20とすると、
通話でのセールスの反応は50、
対面でのセールスの反応は100くらいになります。
オンラインでの販売が当たり前になってきていますが、
会話ができる通話や対面のセールスに持ち込んだほうが
あきらかに成約率が良い。
そのため、下手に動画の画質にこだわるよりも
セールスのスキルを高めて
通話や対面で売る努力をしてみてください。
相馬一進