こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
前回、オンライン時代のセールスについて
お伝えしたところ、意外に多くの反響がありました。
「ちょうどビジネスをはじめた初心者で、 セールスを学びたいと思っていたところでした!」
「昔ながらのセールスが 通用しない危機感を私も感じていました。 よかったらセールスについてもっと知りたいです」
といった返信もいただいたため、
他の事例についても解説したいと思います。
さて、これからの時代のセールスパーソンに
知っておいてほしいことがあります。
それは、「親近感を出しても売れない時代になった」
という世界の変化です。
というのも、一般的なセールスパーソンって、
お客さんと親近感をつくってから、
商品を売るイメージがありませんか?
何度もお客さんの自宅に訪問したり、
冗談を言ったりしてから、
契約を結ぼうとするセールスです。
いわゆる「保険のおばちゃん」は、
こういったセールスをしているイメージでしょう。
しかし、これからの時代は、
保険のおばちゃんのように親近感を出すセールスが、
どんどん通用しなくなっていきます。
なぜなら、保険のおばちゃんの売り方は、
元々セールスの本質からズレている上に、
オンラインでは使えないからです。
重要な話なので、もう少し詳しく説明します。
まず、そもそも論なのですが、
オフラインあっても“保険のおばちゃんのセールス”は
さほど高い成約率を出せません。
ここで少し、お客さんの立場で想像してみてください。
あなたは保険のおばちゃんと
進んで高額な契約を結びたいですか?
おそらく、気が進まないですよね(苦笑)。
契約するとしても、
「いつも会ってるし、しょうがないから契約するか」
といった気持ちでしょう。
この時点で、“保険のおばちゃんのセールス”が
本質的ではなく、稚拙な売り方だとわかります。
実際、数千社の企業のセールスを調査した
マシュー・ディクソンとブレント・アダムソンの研究で
興味深いデータが発表されました。
この研究では、保険のおばちゃんのように
親近感を出して顧客との関係性をつくる人を
「リレーションシップビルダー」と呼んでいます。
そして、「リレーションシップビルダー」は、
ほとんどの場合において、他のセールスパーソンの
平均以下の業績しか出せていなかったのです。
トップセールスパーソンの93%は、
親近感とは別のスキルを使って
セールスをしている人たちでした。
つまり、“保険のおばちゃんのセールス”が、
稚拙な売り方であるという事実が、
データ上でも明らかになったのです。
とはいえ、オフラインの対面営業であれば、
保険のおばちゃんも、まだ一定の成果を出せます。
なぜなら、何度も何度も繰り返しお客さんと会えば、
多少なりとも親近感を与えられるからです。
しかし、オンラインのセールスでは、
保険のおばちゃんの売り方が通用しません。
オンラインだと、メールや動画を使っても
対面に比べて親近感を感じませんよね。
また、無理やりビデオ通話に誘導しても
訪問セールスのように
長時間の世間話をする関係にはなりにくい。
結果、“保険のおばちゃんのセールス”では、
昔以上に売れない時代に現代はなっているのです。
当然ながら、この変化は保険業界に限りません。
今後はどんな業界であっても、
親近感を出すセールスばかりしている人は、
売上が右肩下がりになるでしょう。
幸いなことに、私は十年以上前から
“保険のおばちゃんのセールス”から脱却し、
講座の参加者にも別の方法を伝えられていました。
過去の参加者からは、
「オンライン化の影響で、さらに売上が伸びました」
というありがたい報告もいただいています。
年月の風化に耐えうる
セールスの本質をお伝えできていたことには、
教育者として本当に誇りを感じています。
ただ、同時に最近は
憤りや悔しさを感じる日も増えました。
というのも、世の中には「正しいノウハウ」と称して
保険のおばちゃんと似たようなセールスを伝える
視点の低い講師が、未だに数多くいます。
そういった視点の低い講師のせいで、
多くのセールスパーソンが悲痛の叫びをあげいるのに、
私の声は全員には届かない。
セールスの本質を知らないせいで、
廃業したり一家離散したりする人もいる。
これはどうしようもない現実なのでしょう。
それでも、
「なぜもっと多くの人に本質を届けられないのだろう」
と、憤りや悔しさを覚えずにはいられません。
せめてこの記事が届いているあなたには、
どうか視点の低い講師から
すぐに離れてほしいと思います。