こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
先日、「コミュニティに入るのが苦手です」
と言っている人がありました。
ビジネスの講座でも趣味の習い事でも、
新しいコミュニティに抵抗があるとその方は言うのです。
メンタルの不安定な人が
コミュニティに苦手意識があることは多いのですが、
その理由はいろいろとあります。
「どうして苦手なんですか?」と質問してみたところ、
その方は次のように答えました。
「コミュニティのメンバーを私が深く理解したり、
自分のプライベートを話したり、
飲み会に参加したりするのも苦手です……」と。
その回答を聞いて、
「人間関係への認知のゆがみがいくつもあるな」
と私は感じました。
というのも、この方の発言には、
次のような前提をがあるように感じますよね。
・メンバーを深く理解しなければいけない
・プライベートをすべて明かさなければいけない
・飲み会などに必ず出なければいけない
他にもいろいろな認知のゆがみが
混ざっているかもしれません。
いずれにせよ「コミュニティの仲間とは
100%理解し合って関係を続けなければいけない」
といった考え方でしょう。
この考え方は私からすると、
コミュニティのハードルを上げすぎです。
もちろん、同じコミュニティの人を助けたり、
理解したりするのは素晴らしいことです。
ですが、興味がわかなかったり、
価値観が合わなかったりする人とまで、
100%理解し合う必要はありません。
人を支援するのは素晴らしい行為ですが、
自分がやりたくないことはしなくていいでしょう。
あなたが話したくないことは隠す権利がありますし、
飲み会も断っていいのです。
つまり、すべての相手を100%理解するのではなく、
0〜99%までの「距離感のグラデーション」を
作って関わっていい。
私自身、いろいろなコミュニティに所属していますが、
年齢も家族関係もよくわかっていない相手が多くいます。
それでも、多様な人と交流したり
コミュニティに貢献したりするのは、
とても価値のあることだと感じています。
自分が努力する環境を作ったり、
人生の幸福度を高めたりできるからです。
場合によってはその人脈が
新しいビジネスにつながる場合もあります。
このように自分にとって丁度いい距離感で関わると、
コミュニティは素晴らしいものになります。
コミュニティが苦手な人は、
相手との距離感にグラデーションを作って
人と関わるようにしてみてください。
とはいえ、認知のゆがみが強い人の場合は、
こうした話を聞いただけではあまり変わらないでしょう。
エビデンスのある心理療法などを
コツコツと続けないとメンタルは改善できないからです。
そしてコツコツと行動を続けるためにも、
努力する人が多いコミュニティに参加する必要があります。
なぜなら、人間は環境の影響を受けるため、
たった1人で行動や考え方を変えるのは難しいからです。
そういった意味でも、ときには苦手なコミュニティに
勇気を出して飛び込む必要があります。
コミュニティから逃げ回り続けると、
なかなかメンタルは変わりません。