こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
メンタルの状態がダメダメな人は、
「自分の認知のゆがみ」と「他人が起こした問題」を
区別するのが苦手です。
つまり「自分の思い込みを、他人のせいにする」とか
逆に「他人の問題なのに、自分のせいだと思い込む」
ということが多いのです。
たとえば、職場で上司に
「今日、残業できないか?」と言われたとします。
その際、あなたの頭の中で次のような
思考や感情が出てきたとしましょう。
「今日は家でサッカーを見たかったのに、
なんで残業を頼んでくるんだ?
この上司は自分が嫌いで、
わざとサッカーの試合の日に、苦痛のある仕事を
押し付けてきているんだろうか?
イライラする……。自分は不幸な被害者だ」
この場合、問題は「自分の認知のゆがみ」にあります。
上司は、ただ「残業の確認」をしているだけで、
それ以上でも以下でもありません。
「残業できません、今日は帰りたいです」
と言えばいいのです。
にもかかわらず、自分が勝手に邪推して、
極端なことを決めつけて、イライラしている。
こうした場合は、「自分の認知のゆがみ」を
修正し、考えを改める必要があります。
一方、次のような場合はまた異なります。
たとえば、職場で上司が
「お前は顔が悪いから、給料を減額する」
と言ってきたとします。
このケースは明らかにパワハラであり、
上司の側に問題がある。
「そうか、自分は顔がダメなんだ。
イライラするけど、自分の考えを改めよう」
などと思っても、解決しません。
上司に変わってもらうしかないでしょう。
意味がわかりますか?
すなわち、負の感情の原因が自分にあるのか、
他人にあるかのは、ケース・バイ・ケース。
「自分の認知のゆがみ」のせいなら、
自分の考え方を変える必要があります。
一方、「現実に相手が起こしている問題」なら、
相手に変わってもらう必要があるのです。
この点を区別して、適切に対応してください。
ただし、メンタルが重症な人の場合、
自力で区別をするのは難しい。
私の講座の参加者の中にも、
自分の認知のゆがみの問題なのに
「あの人が悪い」と捉えてしまう人がいます。
逆に、明らかに周囲の人が悪いのに
「自分の責任なんです」と自己否定する人もいる。
それでも、参加者同士がフィードバックをし合う
環境があるので、客観的な視点に気づけて、
少しずつ状態が改善していきます。
もし講座に参加せずに、1人でいたら、
今後も認知のゆがみを持ち続けていたはずです。
こうした理由があるので、フィードバックがもらえない
心理学の本や教材を読んでいるだけでは、
メンタルが改善しないのです。
専門知識を共有している人が
集まった環境に、身を置くことが重要ですね。