こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
『一人でできるもん』という
NHKの子供向け教育番組があったのは、
あなたもご存知ですよね?
この番組タイトルは、心理学的に見ても
子供の価値観をよく表していると私は思います。
というのも、食事や着替え、トイレなどが
一人でできるようになった時期に
子供は自立心を持ちはじめます。
すると、親への依存をやめて
「自分でできる!」と実感したくなるので、
何でも一人でやりたがるようになるのです。
結果、大人の手を借りるのを嫌がって、
「一人でできるもん」と、子供は言うわけですね。
さて、ここからは私の持論なのですが、
この「一人でできるもん」の心理が、
大人になって再燃することがあります。
それは、会社員を辞めてビジネスをはじめ、
個人事業主や起業家になった時期です。
ビジネスを開業すると、会社への依存をやめて、
自立する覚悟が必要になりますよね。
その厳しい時期にもかかわらず、
周囲の人間からは「起業なんてうまくいかない」
と、否定されがちです
すると、その周囲への反発心と自立心がふくらみ、
「自分は一人でできるんだ!」と、
しきりに世間に証明したくなるのです。
・「私は一人でサービス提供ができる!」
・「私は一人でブログが制作できる!」
・「私は一人でメールマガジンが書ける!」
・「私は一人でセールスができる!」
・「私は一人で顧客対応ができる!」
・「私は一人で事務作業ができる!」
・「私は一人で会計作業がでできる!」
と、なんでも一人でこなそうとします。
親からの依存をやめて、自立する子供と同様に、
会社への依存をやめて、自立する時期だからでしょう。
まさに「一人でできるもん」と言いたくなるわけです。
私自身、十数年前にビジネスをはじめた頃は、
こうした心境だったように思います。
だからこそわかるのですが、
「一人でできるもん」の心理で行動しているうちは、
年々ストレスが増していきます。
一人でビジネスをこなす達成感が得られるのは、
せいぜい最初の1、2年に過ぎません。
途中から、面倒くささや苦痛の方が増してきます。
やることが多すぎて時間に余裕がなく、
苦手な作業まで自分でしなければビジネスが回らない。
追い立てられるようにタスクをこなし続け
「この忙しさはいつまで続くんだ……?」
と、あせりはじめるのです。
しかも、親に褒めてもらえる子供とはちがって、
大人が一人で仕事をしていても、
別に誰も褒めてはくれません(苦笑)。
むしろ「忙しそうだけど、やることを減らしたら?」
などと、先輩起業家から心配されるくらいです。
実際、一流の起業家は
やることを減らしている傾向があります。
複数のビジネスをしているように見えても、
成功者ほどチームを作って仲間と協力し合ったり、
専門家に作業をお願いたりしているのです。
そのため、成功者のコミュニティに入ると、
「今月もこんなにやることを減らせた」
という会話が増えます。
いろいろなことを自分でやる
「一人でできるもん」の状態の人は
むしろ未熟だと見られるのです。
一人で着替えやトイレができるのを
自慢する大人がいないのと同様に
当たり前の作業ができることを、成功者は自慢しません。
こうした現実に気付いてから、
私は少しずつやることを減らしていきました。
最初は違和感があったのですが、
事務作業、デザイン、ライティング、セールス
などをチームメンバーにお願いしていったのです。
すると、私以上にその分野が得意なメンバーが、
高いパフォーマンスを発揮してくれるようになしました。
結果、売上規模は増えたのに、
私自身の労働時間は減り、生活に余裕ができたのです。
何より、自分の情熱のあることに集中できるので、
お客さんの満足度も上がり、
ビジネス自体が楽しくなりました。
もし私が「一人でできるもん」の心理のままだったら、
今のような充実感は得られていなかったでしょう。
あなたも開業から数年以上経ったなら、
「一人でできるもん」を脱却し、
ぜひやることを減らしていってください。
ただし、実際問題としては、
「一人でできるもん」の状態から脱却しようにも
やり方がわからない人も多いでしょう。
なぜなら、マーケティングがわかっていないと、
やることを減らそうにも減らせないからです。
マーケティングに無知な人がやることを減らすと、
単に売上も減るだけになっていきます。
また、委任が下手だと
悪徳な業者に不当に高い費用を請求されたり、
スタッフにお金を使い込まれたりします。
あるいは、サービスの品質が落ちて、
お客さんの信頼を失うケースもあるでしょう。
そういった失敗も私は経験しました。
「一人でできるもん」から脱却するには、
骨太なマーケティングを学んで
文字通りあなたが成長する必要があります。
とはいえ、いろいろなビジネスをこなしてきた
あなたならできるはずですので、
コツコツと取り組んでいきましょう。