こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
マーケティング・コンサルタントの
ダン・ケネディが提唱した「GEスポット」
という概念があります。
GEとは、英語の「Good Enough(十分いい)」の
頭文字を取った言葉で、
「お客さんが『十分いい』と感じる臨界点」のことです。
この「GEスポット」を的確に理解している人は、
最小限の労力で大きな結果が出せます。
逆に「GEスポット」がわかっていないと、
労力のわりにしょぼい結果しか出せません。
たとえば、あなたがメールマガジンを書くのを
想像してください。
その場合に、「GEスポット」がわかっていないと
次のように考えがちです。
・読者に役立つ知恵を伝えたほうがいい
・今すぐに使える情報を書いたほうがいい
・共感しやすい話題を出したほうがいい
・新しい話をしたほうが良い
・面白い話をしたほうがいい
・読み手を感動させられたほうがいい
・わかりやすい具体例を出したほうがいい
・エビデンスを正確に書いたほうが良い
・分量は短くコンパクトにしたほうがいい
・誤字脱字のない正確な言葉を書いたほうが良い
これらの考え1つ1つは、
どれも間違ってはいないでしょう。
ただし、上記のポイントを完全に満たした
メールマガジンを書くのは非常に困難ですよね。
そのため、上記のポイントをすべて意識すると、
執筆に膨大な時間がかかったり、
書くのが嫌になったりしてしまいます。
いわゆる「完璧主義」になって苦労するのです。
これが「GEスポットをわかっていない」
という状態だと言えます。
一方、自分のビジネスにおける「GEスポット」を
理解している人は、次のように考えます。
「私の読者は◯◯について書けば
『十分いい』と思ってくれる。
だから◯◯にフォーカスすれば、
それ以外は最低限でいい」
と。
この◯◯の部分には「ダイエットの最新情報」とか
「堅実な株式投資の方法」とか「婚活の知識」とか、
あなたのお客さんの求めるものが当てはまります。
意味、わかりますか?
つまり、お客さんが求める基準を理解して、
それを届けるためにエネルギーを使うのです。
言い換えると、お客さんが求めていない過剰な基準に、
ムダな手間をかけてはいけません。
実際、ダン・ケネディのニュースレターには、
数多くの文法の間違いや誤字脱字がありました。
にもかかわらず、
10万人以上の愛読者がいたのです。
なぜなら、ダン・ケネディの「GEスポット」は、
ビジネスの知識と配信速度であり、
言葉の正確さではなかったからです。
これは、メールマガジンや
ニュースレター以外のサービスでも同様です。
牛丼屋の「GEスポット」は安さ・速さ・美味さで、
盛り付けの美しさは二の次になります。
あるいは、お笑い芸人の「GEスポット」は、
笑える話であり、科学的な話ではありません。
あなたもの「GEスポット」を理解し、
完璧にすることに労力をかけないようにしてください。
ただし、これには注意点があります。
それは、「想像でGEスポットを選んではいけない」
ということです。
「たぶんお客さんは、これを求めてるのだろう」
といった想像をしても、
多くの人は的確な「GEスポット」を選べません。
すると、見当違いなものを
「GEスポット」だと思い込み、
見当違いなサービスをしてしまいます。
結果、既存のお客さんが離れて、
売上も下がってしまうことがあるのです。
マーケティングの知識が足りないと、
「GEスポット」すら見極められないので、
その点は気をつけてください。