こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
心理学用語として
「公正世界誤謬(こうせいせかいごびょう)」
という概念があります。
公正世界誤謬とは、「この世界は公正だ」
と考えてしまう思い込みのことです。
現実世界は、公正とは限りません。
にもかかわらず、「世界は公正に決まっている」
という色眼鏡をかけて、
物事を見てしまうのが、公正世界誤謬です。
※誤謬(ごびゅう)とは勘違いのことです。
たとえば、「ある人が自動車事故にあった」
と聞いたとします。
その際に、次のように考えてしまう人もいます。
・「どうせ、よそ見でもしてたのだろう」
・「きっと乱暴な運転をしていたのだろう」
・「飲酒運転でもしていたのではないか?」
などと。
なぜなら、「世界は公正なんだから、
安全運転をしていれば、事故になんてあわない」
という思い込みを持っているからです。
意味、わかりますか?
逆に、「私は一度も事故を起こしていない」
という人に会うと、多くの人は以下のように考えます。
・「安全運転していた立派な人なんだ」
・「運転の上手い優秀な人にちがいない」
・「ただのペーパードライバーかな?(笑)」
と。
もちろん、この推測が当たっているケースもあります。
むしろ、当たる確率が高いでしょう。
ただ、現実には例外もあります。
たとえば、毎日安全運転をしていたのに、
運が悪くて事故にあってしまう人もいます。
逆に、何度も飲酒運転をしているのに、
たまたま事故が起きていない人もいる。
つまり、現実世界というのは、
ほとんどの場合においては公正なのですが、
不公正なときもあるのです。
そういった例外を見ないようにして
「世界はいつも公正だ」と信じ込むのが
公正世界誤謬です。
この公正世界誤謬のおかげで、
社会の秩序が保たれているので、
必ずしも悪い勘違いではありません。
ただ、その勘違いがときどき幻想であることも、
思い出す必要があります。
「世界が公正だ」と考えるのは、
「ヒーローが常に助けてくれる」と
子どもが信じるようなもの。
現実で犯罪に巻き込まれたときに、
いつもヒーローを待っていても解決はしません。
それと同様に、現実のトラブルが起きたときに
公正世界誤謬に気づかないと、
誤った判断をしてしまうのです。
一例をあげると、あなたが起業していた場合、
「悪徳業者だって稼いでいるんだから、
良い商品を持っている自分はもっと稼げるはずだ」
などと思っていると、すぐに廃業しかねません。
不公正な現実を生き抜くための
セールスやマーケティングの知識がいるのです。