こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
世の中にはMLM(マルチ・レベル・マーケティング)、
いわゆるマルチ商法にハマっている人が多くいます。
マルチ商法の有名な会社の1つがアムウェイです。
国内だけでも1,000社以上が
マルチ商法をしていると言われており、
あなたも勧誘を受けた経験があるかもしれません。
さて、そういったマルチ商法をしている人は、
どういった理由で活動しているのだと思いますか?
というのも、マルチ商法をしている人は、
十中八九が収入になっていません。
『月刊ネットワークビジネス』によると、
マルチ商法を熱心におこなっている人の中で
もっとも多い収入帯は5万円だそうです。
短期間で辞める人も含めると、
「94%は無収入で終わる」という情報もあります。
こうした稼ぎにくさは、
マルチ商法のグループにいる本人が
誰よりも実感しそうなものですよね。
周りの仲間を見渡すだけでも、
結果を出している人が少ないという現実が見えるからです。
にもかかわらず、なぜマルチ商法の活動を続ける人が
こんなにも膨大にいるのか?
一般的には、「マルチ商法をしているヤツは、
『稼げる』と関係者に騙されているのだろう」と
想像している人が多いかもしれません。
たしかに、マルチ商法の構造に気づかずに、
騙されている人もいるでしょう。
ただ、現実には高学歴で頭のいい人も
マルチ商法をしていることがあります。
必ずしも騙されているわけではなく、
マルチ商法の構造を見抜いた上で、
熱心に活動を続けている人もいるのです。
そういった人が生まれる心理について、
私には持論があります。
それは「コミュニティに価値を感じるようになる」
ということです。
つまり、お金儲けはどうでもよくなり、
マルチ商法のグループでの交流自体が
楽しくなっていくのです。
マルチ商法は商品を売るという共通の目標があるので、
仲間との連帯感を感じやすくなっています。
同じ話題があるため、
コミュニケーションが苦手でも会話には困りません。
メンバー同士が自然に協力し合うため、
外部の人間関係が上手くいっていない人ほど、
居心地良く感じるでしょう。
また、マルチ商法を始めると、
家族や友人を勧誘することになるので、
過去の人間関係に亀裂が入りやすくなります。
すると、家族や友人に縁を切られて
余計に孤独になってしまうため、
マルチ商法だけが唯一の居場所になる。
そういった環境になると、
「私はマルチ商法をしている」と自覚しても
多くの人は抜け出したくなくなります。
つまり、マルチ商法にハマる心理は、
お金を稼ぎたいという欲望ではありません。
「孤独になりたくない。仲間が欲しい」という渇望なのです。
こうした心理は普遍的で、誰しも持っているでしょう。
だからこそ、できればマルチ商法ではなく、
健全なコミュニティに所属してほしいと私は思います。
相馬一進