こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
以前、「10年くらい前に自分は精神病だった」
とネット上のプロフィールに書いている人がいました。
一体どのような精神病だったのか読んでみると
「不眠や食欲不振が続き、やる気が出なくて休職した」
と書いていました。
それを聞いた私が思ったのは、
「え、それは精神病ではないのでは?」ということでした。
なぜなら、一般的な「精神病」の定義に当てはまらないからです。
というのも、基本的に「精神病」とは、
幻覚や妄想の症状のある精神疾患を指します。
たとえば「物が勝手に動くように感じる」とか
「誰もいないのに、自分への悪口が聞こえる」
といった症状がある状態です。
言い換えると、幻覚や妄想の症状がない場合は、
「精神病」とは呼びません。
専門家によっても定義にゆれはありますが、
少なくとも幻覚や妄想がないとき、
心理学者や精神科医は「精神病」とは表現しないでしょう。
どうやら前述の方はうつ病だったようなので
「精神疾患」と書くほうが適切ですね。
(「精神疾患」は、より広い意味で
精神の症状が出ている状態を指します。)
重箱の隅をつつきたいわけではないのですが、
定義を知らずに言葉を使うと誤解を生みます。
とくにメンタルコーチや心理カウンセラーが間違うと、
知識不足がバレて権威性を失います。
プロフィールに書く用語に関しては、
定義を把握しておいたほうがいいでしょう。
相馬一進