こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
ギリシア神話にはカサンドラという
予言能力を持つ悲劇の王女が出てきます。
「トロイの木馬の中に敵兵が潜んでいる」と予言するも、
それを味方から信じてもらえずにトロイアは滅亡します。
最終的にカサンドラは
敵の将軍に強姦されてしまうのです。
そのため、欧米圏では
「正しい提言なのに、周りに聞いてもらえない悲劇の人」
のことをカサンドラと言います。
ご参考:カサンドラ(Wikipedia)
さてこの話には、現代のビジネスにも通じる「本質」が
含まれています。
まず、現代のビジネスにおいてカサンドラは誰でしょうか?
それは会社の外部にいるコンサルタントです。
当然ですが、外部のコンサルタントは
外から客観的に会社を見れるため
どこがおかしいかがよくわかります。
それを提言したとしても、
イエスマンばかりを集める社長の場合、
聞き入れてもらえないこともよくあります。
すると、そのコンサルタントは失脚し、
会社は傾いていきます。
もちろん、悪いのは提言を聞かなかった社長です。
あるいは会社の中にカサンドラがいる場合もあります。
その場合、会社の末端で現場をよく知っている社員が
カサンドラであることが多いです。
そういった社員は、ビジネスの衰退につながる変化の機微や、
成長につながるチャンスを見つけて提言するわけです。
しかし、社長は現場をよく知らないので
その話に臨場感がわきません。
そのため、会社の中のカサンドラの意見は
退けられてしまうわけです。
これも、悪いのは提言を聞かない社長です。
「カサンドラの法則」というのは私が名付けたのですが、
周りの話を聞かない社長ほどカサンドラを退けるので、
結果としてビジネスを衰退させてしまうこと
です。
その社長の心の奥には、
「自分は正しい」とか「自分は優秀だ」という
幼稚な万能感と自己愛があります。