こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
私が「悪評プレミアム」と呼んでいる概念があります。
ここで言う「プレミアム」とは、
投資などで手に入れられる割増金を指します。
つまり、悪評プレミアムとは、
「悪評によって得られる割増金」のことです。
たとえば、昔の日本には「えた(穢多)」という
身分があったのはあなたも知っていますよね?
士農工商といったの身分の下に
「えた」や「ひにん」という身分があって、
差別を受けていたのです。
この「えた」について義務教育で学ぶときは
「差別を受けた可哀想な人」という文脈で
習うことが多いでしょう。
ですが、イメージとは裏腹に「えた」の方は
豊かな生活ができる場合も多かったようです。
というのも、そもそも「えた」と呼ばれたのは
革製品を作ったり罪人の処刑をしたりしていた人たちでした。
「血を被る仕事は汚らわしい」という考え方が
昔の日本には強くあったため、
こうした仕事が差別を受けていたのです。
ただ、革製品の生産や罪人の処刑などは
世の中になくてはならない仕事です。
そのため、「えた」の方は幕府からの仕事を請けて、
安定した収入を得られたケースも
多かったと考えられています。
少なくとも江戸時代の戸籍を調べると
「えた」は平均寿命が長く人口も増えていたようです。
歴史の研究者によっては、
下手な農民よりも「えた」のほうが健康的で
安定した生活ができていたと指摘するほどです。
もちろん、地域や時期にもよるので一概には言えません。
また誤解してほしくないのですが、
私は差別を肯定する気は全くありません。
「えた」の方が差別に苦しんだのは事実でしょうし、
差別的な身分制がなくなったのは
本当に良かったと考えています。
ですが、忌み嫌われる仕事をしていたからこそ
「えた」の中には豊かな生活ができる人がいた、
というのもまた1つの事実なのです。
この「えた」の方が得ていたのが
まさに悪評プレミアムだと言えます。
悪評の対価として豊かな生活ができたわけです。
こうした悪評プレミアムは、現代社会にもあります。
たとえば、水商売とか廃棄物の処理などの
合法であるもののイメージ悪いビジネスは
やはり稼ぎやすくなっていますよね?
なぜなら、こういったイメージの悪いビジネスは
世間体を気にする人が参入してこないからです。
そのため、イメージの悪いビジネスができる人は
大きな収入を得やすくなります。
このように悪評プレミアムは、
時代が移っても変わらない普遍的な概念です。
悪評プレミアムを受け入れられると、
ビジネスで結果が出しやすくなります。