こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
YouTubeなどで
視聴者との質疑応答をする配信者がいます。
無料の質疑応答だけではなく
スパチャ(課金)をした質問に対して
配信者が答える形式も多いようです。
中には起業、転職、結婚、健康、育児などの
重大な相談もあります。
「結婚はするな!」などと過激な回答を配信者がして
「そのとおりだ!」などとコメント欄で
ファンが盛り上がっていることもあるでしょう。
そういった配信をするのは自由なのですが、
教育者の端くれである私は
その手の質疑応答に危うさを感じています。
なぜなら、正解のない質問に対して
決めつけで回答するケースが多いからです。
「この回答を鵜呑みにする人がいたらヤバいぞ……」
と、部外者ながら私はヒヤヒヤするのです。
というのも、世の中には“正解のある質問”と
“正解のない質問”があります。
正解のある質問とは、数学の計算問題や
辞書的な用語についての質問です。
「時速10キロで1時間走ると何メートル進むか?」とか
「haveの過去形は何か?」といった質問であれば
たった1つの正解があるでしょう。
一方、正解のない質問とは、いわゆる人生相談などの
人によって答えが変わる質問です。
たとえば、「転職したほうがいいでしょうか?」とか
「離婚したほうがいいと思いますか?」
といった質問に正解はありません。
それで、こうした正解のない質問のときに
精度の高い回答をするには、何が必要だと思いますか?
長年、教育ビジネスをしてきた私が断言できるのは、
「できる限り、質問者を理解する必要がある」
ということです。
言い換えると、質問者を理解せずに
まともな回答ができるわけがない。
私の経験で言えば、質問者の状況によって
回答が180度変わる場合も多いからです。
具体例をあげましょう。
「会社を辞めて起業したほうがいいですか?」
というのは、よくある相談の1つです。
この質問への私の回答は、質問者によって変わります。
たとえば、ホワイト企業に務めている場合は、
基本的に会社に居続けたほうがいいでしょう。
なぜなら、会社員として生活を維持したほうが
質の高い人生になる可能性が高いからです。
とはいえ、本人に特別な強みがあるなら、
副業からはじめて起業を目指すのもありかもしれません。
逆に、強みがあるにも関わらず
ブラック企業に入ってしまった場合は、
さっさと辞めて起業や転職をしたほうがいいですね。
言い換えると、ろくに強みも見つかっていない上に
運良くホワイト企業に入れた人なら、
絶対に会社にしがみついていたほうがいい(笑)。
ここでは、強みの有無と
ブラック企業/ホワイト企業という軸で話しましたが、
他にもいろいろな軸があります。
年齢、性別、国籍、体調、家族関係、遺伝的な特徴、
資産、経歴、実績、情熱、ルックスなどなど
様々な軸を考えて答えを出す必要があるのです。
にもかかわらず、YouTubeの質疑応答では
こういった細かい状況を聞くことができません。
チャットで送信できるたった数行の文章だけで
配信者は回答しています。
動画サイトの仕組み上しょうがないのですが、
まともなコンサルティングにはなっていない。
それで、先日からお伝えしているクラゲ人間は、
YouTubeの質疑応答なども真に受けがちです。
(クラゲ人間とは、クラゲが海に流されるように、
情報に流されるだけの情報弱者のことでした。)
質の低い情報に流されてしまうと
後悔しかねないのでぜひ注意してください。