こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
ときどき、次のような格言を紹介する人がいます。
「物事の真相を知りたかったら、
『誰が得をするのか?』を考えたらいい」と。
これは「『誰が得をするのか?』を考えたら、
事件の犯人を見つけやすい」といった意味ですね。
たとえば、ある商品が急に安売りになった場合は、
その安売りで得をする人物が、
推し進めている場合が多いでしょう。
これはたしかに一理あります。
ただ、言い換えると一理しかないと私は思います。
つまり、「誰が得をするのか?」と考えても
真相がわからない例も多いのです。
たとえば、災害や感染の流行などで
社会が混乱したときに、
政治家がおかしな判断をすることがあります。
一般の国民はもちろん、政治家自身も人気を落とし、
損をする政策をしてしまうのです。
こういったときに
「誰が得をするのか?」と考えても
はっきりいってあまり意味がありません。
なぜなら、ほぼ全員が損をしていて、
誰も得をしていないからです(苦笑)。
場合によっては、マスコミなどの
一部の業種が得をしている例もありますが、
マスコミが全世界を支配しているとも考えがたい。
ではなぜ政治家が、
自他ともに損ばかりする判断をしてしまうのか?
それは、単純に知識や思考能力が不足していて、
誤った選択をしているだけです。
もちろん、裏があるクレバーな政治家もいますが、
単にバカなだけの政治家もいます。
とくに、芸能人やスポーツ選手が、
有名だからという理由で支持されて政治家になると、
見当違いな判断をしがちです。
そういった場合に「誰が得をするのか?」と
いくら考えても答えが出ないので、徒労に終わります。
この例に限らず「誰が得をするのか?」というのは、
必ずしも万能な思考法ではないので、注意してください。
そもそも、「誰が得をするのか?を考えたほうがいい」
と説いたのは、古代ローマの
カッシウスという人物だと言われています。
カッシウスは2000年近く前の人物である上に、
判事という特殊な職業です。
こうした古代の格言は、
いつでも使える思考法ではないので、
盲信しないように前提を理解しておきましょう。