こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
自己啓発やコーチングを学んだ人が
やる気が出ないときに、やってしまう失敗があります。
それは、「行動するメリットを書き出して
行動力を上げようとする」ことです。
たしかに、大した理由もなくやる気が出ないときは、
行動するメリットを確認するだけで、
作業に手がつけられる場合もあるでしょう。
ですが、この方法が使える場面は
決して多くはありません。
役に立たないどころか、
悪影響になる場合も数多くあるのです。
たとえば、「お客さんのクレームが多いから、
これ以上商品のセールスをしたくない」
と思っている人がいるとします。
そういった場合に、行動するメリットを
紙に書き出したとしましょう。
・セールスした方が売上が上がる
・中には喜んでくれるお客さんもいる
・家族の生活のためにもビジネスをした方がいい
・お金を稼げば欲しい家電が買える
こうしたメリットを羅列するだけで、
長期的に行動が続けられると思いますか?
答えは、ノー。
ほとんどの人は、またすぐに行動できなくなります。
なぜなら、その行動によるデメリットが
全く解決していないからです。
この例で言えば、
「またクレームが来たら嫌だ。
この商品はお客さんに役立たないのではないか……」
といった不安や疑念を抱えており、
ストレスが耐えない心理状態です。
にもかかわらず、メリットを並べ立てて、
無理やり自己説得しようとしている。
これは、自動車に乗る人がブレーキをかけながら
無理にアクセルを踏み込むようなものです。
現実の自動車でブレーキとアクセルを同時に踏むと、
ほとんど前進はできません。
停止したままか、ノロノロと動くかは
車種によってちがいがありますが、
どちらにしても、まともな走行は不可能です。
それと同様に、メリットを列挙して
無理に自分を行動させるのは、
ほとんど前進はできない方法だと言えます。
こういった場合に、どうしたらいいかわかりますか?
それは、ブレーキの方を
本質的な対策によって取り除くことです。
上の例で言えば、「クレームがほとんどなくなる
セールスやマーケティング」を学ぶ必要があるのです。
こうした本質的な解決をせずに、
無理にアクセルを踏み続けると、精神的に疲弊します。
一時的に行動できたとしても、
いずれは燃え尽き症候群になって、
何もやる気がなくなっていくのです。
実際、起業や副業がつらくなって、
ベッドから起き上がれなくなるような人が、
世の中には多くいます。
その状態から抜け出すには、
小手先のモチベーションアップではなく、
本質的な解決が必要なのです。
私が、自己啓発よりもセールスやマーケティングを
学んだ方が良いと説いているのは、
こういった理由もあります。
ビジネスのストレスを根本解決する知識は、
自己啓発の世界にはないからです。