こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
セミナー講師などの教育ビジネスをする人が、
ため息まじりに次のように言うことがあります。
「世の中の大半の人って、
本気さが足りないですよね。
『◯◯の悩みを改善したい』と口では言うわりに、
ろくに本も読まない人ばかり。
教材やセミナーで学ぶのも一部の層だけですし、
『勉強するほど本気じゃない』
って人がほとんどなんでしょうね」
と。
「必死に教育をおこなっても、
一部の人しか勉強してくれない」と、
嘆く講師がよくいるのです。
私も教育者の一人なので、
時間をかけて学ぶ環境を用意したのに
一部の層しか参加してくれない虚しさはわかります。
ですが、「世の中の人は本気さが足りない」
という部分に関しては、ちがうと思っています。
ほとんどの人は本気です。
「稼ぎたい」「健康になりたい」
「コンプレックスを治したい」などの悩みはとくに切実で、
多くの人が血眼になっています。
ただ、世の中の大半は、
「本気だけど勉強は嫌!」という人なのです。
そして、そういった勉強嫌いは、
ある程度は仕方のない現象でもあります。
なぜなら、遺伝的な特性によって、
どうしても勉強が苦手になる人がいるからです。
というのも、現在の行動遺伝学では、
文章の読解や抽象理論の理解が、
生まれつき苦手な人がいることがわかっています。
というか、全人類の中で見れば、
勉強が苦手な人のほうが多いくらいです。
この文章を読んでいるあなたのような
勉強熱心な人はむしろ少数派でしょう。
世の中の大半である、遺伝的に勉強が苦手な人は、
本を読んだり、授業を受けたりしても、
理解に時間がかかってしまいます。
また、多少は理解できたとしても、
その内容を実践できないという体験を、
学生時代から何度も繰り返しているのです。
さらに、「成績が悪くて怒られる」という挫折を
子供の頃から味わっています。
結果、勉強というプロセスが、
苦痛で苦痛で仕方がなくなっている。
そのため、「悩みは本気で解決したいけど、
勉強だけは絶対にしたくない!」
といった強固な価値観になっているのです。
それで、こういった勉強が苦手な人を、
他人が変えることほとんどできません。
遺伝的な特性や、人生経験によってできた価値観を
丸ごと変えられるわけがないからです。
そのため、教育ビジネスは、
勉強が好きな人に向けておこなったほうがいい。
あるいは、勉強が好きでない人でも
楽しく学べる場を用意したほうがいい。
昔は、こうした現実を私もわかっていませんでしたが、
最近は受け入れられるようになりました。
もし「もっと多くの人の人生を変えたい!」
とあなたが思うなら、
ビジネスモデル自体を変えるしかありません。
たとえば、健康法のセミナーをするのではなく、
身体に良い食品を売るというように、
根本的にビジネスを変えるのです。
意味、わかりますか?
つまり、知識がなくても商品を使うだけで、
お客さんの人生が変わるようにするのです。
実際、最近の私の会社では、
講座以外のビジネスにも参入するために準備を進めています。
勉強が苦手な人にも、
人生を変えてほしいと思っているからです。
こういったビジネスモデルの設計は、
高度なマーケティングの知識がないとできません。
だからこそ、私は日頃から
本質的なマーケティングを学び続けるようにと、
繰り返し説いているのです。
学ぶ意識の低い人を嘆くより、
あなた自身がもっと学んで、
ビジョンを実現させる力をつけてください。