こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
伝説的なコピーライターのジョン・ケープルズは、
著書の中で次のように述べました。
「野生の馬は飼いならして人の役に立つようにできる。
しかし、死んだ馬を生き返らせることはできない。
コピーでも同じことが言える」
この「野生の馬」と「死んだ馬」とは、
書き手の情熱を表しています。
つまり、言い換えると次のような意味になります。
「情熱がある荒削りな文章(野生の馬)は、
修正すれば良いコピーになる。
しかし、情熱のない文章(死んだ馬)は、
修正しても良いコピーにはならない」
ようするに、書き手の情熱がこもっていない文章を
テクニックでごまかしても、
良いコピーにはできないという意味です。
それで、この法則はコピーライティング以外でも
多くの物事にあてはまると私は考えています。
たとえば、あなたがYouTube用の動画を
撮影するのを想像してみてください。
その際、スキルがなくても情熱があるなら、
良い動画になる可能性が高いのです。
・「伝えたいことが多すぎて、長く話しすぎる」
・「熱意が強すぎて、内容がまとまらない」
・「勢いはあるが、上手く説明できない」
こういった状態なら、何度か撮り直したり
動画のプロに編集をお願いしたりすれば、
素晴らしい動画になっていきます。
「野生の馬」のようなパワーが秘められているので、
調教すれば活躍できるのです。
一方、あなたに情熱がないとどうしようもない。
そもそも伝えたいことがないのでは、
撮り直しても、プロが編集しても、
ろくなコンテンツにはならないのです。
そんな状態で無理に動画を撮ったとしても、
時間もお金も損をするばかりになるので、
さっさと損切りした方がいいでしょう。
具体的には、そのビジネス自体をやめるとか、
動画ではなく文章や音声にするとか、
別のやり方に変えないと結果は出ないのです。
ところが、多くの人はこういったときに
損切りができません。
なぜなら、心理学用語でサンクコストバイアスと
言うのですが、
「この損を取り返すまで、やめたくない」
という気持ちになってしまうからです。
負けているのにギャンブルを
やめられない心理と同じように、
情熱がない活動をダラダラと続けてしまいます。
今回の比喩で言えば「死んだ馬」を
必死に蘇らせようとしてしまうのです。
ですが、馬の屍にムチを打っても
エサを与えても、動き出すことはありません。
あなたは「死んだ馬」を乗り捨てて、
次に進むようにしてください。
注意点としては、「情熱が低下している」
というケースはまた別です。
「情熱が低下している」という場合は、
言わば馬の体力が落ちているだけなので
工夫をすれば復活できます。
情熱が低下しただけで
活動をやめてしまうのはもったいないので、
やり方を調節しながら続けたほうがいいでしょう。
これについては、以前別の記事で説明したので、
あわせて読んでみてください。
ご参考:情熱が低下したとき