こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
少し前に、「『許せない』という口癖がある人」
について解説しました。
ご参考:「許せない」が口癖の人
「日常的に『許せない!』と連呼する人は、
メンタルが不安定な、“かまってちゃん”だ」
といった内容です。
すると、この内容を読んだ方から
返信をいただいたきました。
多くの人に役立ちそうな
興味深い質問だったので、ここで紹介します。
「許せない」と同じかもしれないのですが、 「悔しい」と連呼する人が知り合いにいます。 勝気なのはいいのですが、 私としてはいただけない言葉で、 たびたび耳にすると側にいて 「面白くないな」と思います。 この人には、 どのような心理が含まれているのでしょうか?
感想、ありがとうございました。
(返信文中の文字表記などを、
一部修正させていただきました。)
さて、結論から言えば、
この方の返信を読んで私が思ったのは、
次のようなことでした。
・「悔しさ」は基本的に役立つ感情で、
上手に使えば行動のエネルギーになる
・もちろん、過剰に「悔しさ」を感じるなら
メンタルに問題があるかもしれない
・ただ、それよりも、
「悔しがる人に苦手意識がある人」こそ
メンタルに問題があるように見える
どういうことか? 詳しく説明していきます。
そもそも「悔しさ」という感情が
どういったときに生まれるかわかりますか?
それは、端的に言えば「自分の実力でできることを
失敗してしまった場合」です。
たとえば、あなたが資格試験を受けたとします。
事前に十分な勉強をしており、
模擬試験でも合格点だったとしましょう。
ところが、試験の当日に腹痛に襲われ退席し、
不合格になったとしたら、どう感じるでしょうか?
まさに「悔しい!」と感じるはずです。
このように、自分の実力でできそうなことを
何かの不運やうっかりミスで失敗してしまった場合に、
人間は「悔しさ」を覚えます。
ビジネスや人間関係など状況は様々ですが、
「自分ならできると思ったのに……」と惜しむのが
「悔しさ」が生まれる条件なのです。
そのため、「悔しさ」は自然な現象だと言えます。
ネガティブ感情ではありますが、
「悔しいからこそ、次は努力する」といった
健全な行動にもつながる心理です。
ですから、あなたも「悔しさ」を感じたら、
その気持ちを否定するのではなく、
ぜひ行動にエネルギーを向けてください。
私も駆け出しの頃は「悔しい! 今に見てろ!」
と、負の感情をエネルギーにしながら、
どんどん行動していたものです。
とはいえ、あまりにも頻ぱんに「悔しさ」を覚えるなら
メンタルに問題がある場合もあります。
なぜなら、何度も「悔しさ」を感じるということは、
「自分の実力でできる行為を、何度も失敗している」
という状態を意味するからです。
ですが、それっておかしいですよね?
自分の実力でできる行為ならば、
たまに失敗する日があるとしても、
成功する回数の方が多くなるはずです。
したがって、「自分の実力でできる」
という認知自体がゆがんでいて
思い上がっている可能性が高いと言えます。
つまり、自分の実力を過大評価しているのです。
才能がなく、努力もしていないのに、
「自分ならできると思ったのに……悔しい!」
と言っている人かもしれません。
こうした人は、現実を直視できていないので、
その意味ではメンタルに少し問題がありますね。
現実を受け入れられるように、
できれば心理学を学んだほうがいいでしょう。
私は「悔しがる人」以上に
「悔しがる人に苦手意識がある人」のほうが、
メンタルに問題を抱えていると思います。
申し訳ないのですが、今回のメールの質問者のほうが、
メンタルが重症に見える、ということです。
その理由は……。
長くなったので、続きはまた次回に書きますね。