こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
先日、私のセミナー参加者から、
「コンサルタントやセミナービジネスというのは
虚業なのではないか?」
という質問をされました。
はい、私もそう思います。
何か形がある商品を実際に売っている、
実業ではないですよね、間違いなく。
そして、コンサルタントやセミナービジネスに
怪しい輩(やから)が多いことも自覚しています。(笑)
とはいえ、虚業に社会的な価値がないかと言われると、
それは違うと信じています。
その理由は、経営コンサルタントのピーター・ドラッカーや
『7つの習慣』のスティーブン・R.コヴィー博士など、
素晴らしい先輩方がいるからです。
ピーター・ドラッカーは、経営コンサルタントであり、
実業の経営者ではありません。
しかし、だからこそ良かったと私は思います。
もしドラッカーが、実業の経営をしていたら、
経済や経営についての情報をまとめ、
世の中に出すことはできなかったでしょう。
名著『7つの習慣』も同様です。
コヴィー博士は、1日に3冊、1週間に20冊の本を
読んでいたことが知られています。
そして、その読書によって得られた知恵を
1冊にまとめたものが、『7つの習慣』というわけです。
もし、コヴィー博士が、実業の経営者だったとしたら、
じっくりと本を読む時間はありませんから、
『7つの習慣』も世の中に出ていなかったでしょう。
そして、私が何を申し上げたいかというと、
実業と虚業というのは、コインの表と裏の関係にある、
ということです。
すなわち、どちらか片方だけでは成立しない、ということです。
実業の現場で起こっていることを
虚業のコンサルタントが体系化するからこそ
世の中にノウハウが生み出されます。
そして、その虚業のノウハウを使って
実業の経営者が、さらに大きな成果を上げる。
この繰り返しによって、世の中のビジネス、
そして資本主義が成長してきたのです。
虚業のコンサルタントに求められる強みと、
実業の経営者に求められる強みは
全く違いますから、これでいいのです。
なぜなら、資本主義は「強みに基づく分業」
によって成長するものだからです。
残念ながら、コインの片面だけを切り離して、
実業を正義、虚業を悪にしようとする風潮が
世の中にはあります。
しかし、これまで説明したように
両者の関係をメタ認知して、俯瞰してみると、
お互いに補完関係にあることが分かりますよね。
もちろん、虚業には、
その性質上、品質が悪いものや
詐欺まがいのものもあります。
しかし、そういった方には
ご退場して頂ければ済むことです。
世の中から虚業的なものが一切なくなったら、
ほとんどの実業は3年以内に潰れてしまうでしょう。
虚業が世間的に胡散臭く思われていることは、
何を隠そう私が一番感じています。
しかし、私は、今のビジネスに
誇りとやりがいを持っています。
そして、このことに理解と賛同してくれる
コンサルタントを育成していきたいと思っています。