こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
前回から、「ビジネスの真実は残酷」という
シリーズ形式の記事をお送りしています。
前回は、「稼げない業種に参入したら稼げない」
という話をお伝えしました。
もし、まだ読んでいない場合は、
ぜひ前回の記事を読んでみてください。
今回は、2つめの残酷な真実をお伝えします。
この真実から目をそらしているかぎり、
地に足を付けてビジネスを成長させていくことはできません。
ですので、この記事を必ず最後まで読んでください。
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『 ビジネスの真実は残酷(第2回目)』
起業の成功は遺伝次第?
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では早速、2つ目の残酷な真実をお伝えします。
それは、「人間に無限の可能性はない」
ということです。
世の中には、よく「人間には無限の可能性がある」
と言う人がいますよね?
「人は何者にでもなれる」とか。
ですが、これは真実でしょうか?
たとえば、
「誰でも音楽家やスポーツ選手になれるか?」
と問われれば、「それは才能がないと難しい」と、
多くの人が思うでしょう。
では、ビジネスの世界ではどうでしょうか?
「ビジネスなら努力で結果を出せる、
可能性は無限大だ」と、考えたいかもしれません。
しかし、残酷な真実をお伝えします。
「ビジネスの可能性も有限だ」ということです。
なぜなら、ビジネスの成功にも
遺伝的な才能が関係するからです。
ここで言う才能とは、
容姿や体力ではなく性格や能力を指します。
「本当に?」と思いましたか?
たとえば、次のようなことは
遺伝的な才能が関係しています。
・やる気 57%
・集中力 44%
・記憶力 45%
・計算能力 55%
・認知能力 55%
・言語能力 46%
ちなみに、音楽は92%が遺伝、
スポーツは85%が遺伝です。
数字にするとイメージしやすいですよね。
「でも、この数字にはちゃんとした根拠があるの?」
と感じたかもしれません。
この数字の根拠の1つとなるのは、
行動遺伝学という学問です。
行動遺伝学では、人間の遺伝の影響を解き明かすために
双子を研究します。
ご存知のとおり、双子には
一卵性双生児と二卵性双生児がいますよね。
このうち、一卵性双生児は
まったく同じ遺伝子を持っている双子です。
一方、二卵性双生児は兄弟と同じように
遺伝子が違う双子です。
世の中には、双子として生まれても
養子に出されて別々の家で育つ人が多くいます。
そういった、
「別々の環境で育った、同じ遺伝子を持つ双子」
を、何万人も追跡調査する研究が行動遺伝学です。
こうした研究からどんな結論が導き出されたかは、
もうおわかりですよね?
それは、「遺伝で才能や能力の大部分が決まる」
という残酷な真実です。
育った国や学校、家庭が違っても、
遺伝子が同じ双子は同じような才能になるのです。
また、この事実はビジネスでも同じです。
遺伝的な才能によって、
ビジネスの得意不得意が出てしまうのです。
たとえば、頭脳労働はIQ(知能指数)と関係しています。
IQとは、物事のパターンを認識する能力です。
「IQが高い」と聞くと、なんとなく
頭が良さそうな印象を受けますよね?
もちろん、人の頭の良さには
いろいろな種類があるので、
知性のすべてをIQで説明できるわけではありません。
とはいえ、「IQがビジネスの向き不向きに影響する」
という事実には、客観的なデータがあります。
たとえば、
心理学者のリチャード・J.ヘアンスタインと
政治学者のチャールズ・マレーの研究です。
この研究では、IQと職業の関係が明らかになっています。
弁護士や科学者として活躍する人はIQ125以上が多く、
経営者や会計士として活躍する人も、
大抵IQが110以上はあるのです。
もしかしたら、あなたは
この話を聞いて落胆したかもしれません。
しかし、繰り返しますが
IQが頭の良さのすべてではありません。
ただ、少なくともIQの低い人が
弁護士や科学者になるのは難しい、ということです。
また、経営者とか会計士なども
平均よりはIQが高い人が向いています。
「なんとなく、そんな気もするな」と、
あなたもイメージできるのではないでしょうか?
さらに、残念ながらIQは訓練してもあまり伸びません。
昔、IQを高めるための
トレーニングや音楽などが流行りましたよね?
でも、その大半は嘘っぱちです。
なぜなら、1970年代に
心理学者のアーサー・ジェンセンが、
IQは8割が遺伝で決まることを
双子の研究で明らかにしたからです。
「なんだよ、がっかりだな。
IQを上げる裏技みたいなのはないの?」
と言いたくなりますよね?
睡眠不足やストレスで低下したIQを、
元の水準まで戻す方法なら、あります。
しかし、天才と言われるほどに
IQを高めるような方法は見つかっていません。
これが、「人間の可能性が有限だ」と言える根拠です。
つまり、「IQが高くないなら、頭脳労働はやめておけ」
ということです。
これは耳の痛い話なので、
世の中の人はあまり言いません。
そりゃあ、誰だって嫌われたくないでしょ?
ですが、これが科学的根拠のある真実なんです。
さて、ここで重要なのは
「自分の遺伝的な才能に合った分野で起業すること」です。
才能や性格の大部分が遺伝で決まる以上、
それに合った分野で努力しなければ、
ビジネスの結果は期待できません。
たとえば、学生時代に勉強が苦手だったのに
コンサルタントになろうとする人がいます。
しかし、コンサルタントの仕事は
専門知識の理解やデータ分析が求められるため、
IQが高くないと難しいです。
ですので、自分に向いていない分野で努力するより
違うビジネスをした方がいいでしょう。
もちろん、努力そのものには価値があります。
しかし、才能のない分野で努力しても
ビジネスでは報われにくいということです。
「ビジネスでは」というのがポイントで、
たとえば、外国語の学習であれば、
努力すればそれなりに結果が得られます。
誰とも比較しなくていいからです。
自分なりに外国語が使えて、
海外の方と交流できれば満足ですよね?
ですが、ビジネスは外国語の学習とは違います。
自分なりに努力しても、
お客さんにとって価値がないと通用しないからです。
同業者と比較され、選ばれなければ売上は上がりません。
努力がムダになるのは嫌ですよね?
だからこそ、あなたは自分の才能に合う分野で
ビジネスをしてください。
以上、「人間の可能性は有限」という
2つめの残酷な真実の解説でした。
さて、前回お伝えした
1つ目の残酷な真実の話を覚えていますか?
「稼げない業種では努力しても稼げない」
という話でしたね。
その話を踏まえると、「稼げる業種で、
かつ才能のある分野でなければ稼げない」
といえるでしょう。
では、稼ぎやすい「業種」に参入して
かつ「才能」があれば無敵なんでしょうか?
実は、こうした疑問の答えとなる、
残酷な真実がまだあります。
長くなったので、その答えは次回お伝えしますね。
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以上、「ビジネスの真実は残酷」の第2回目でした。
次回も、楽しみにしていてください。