こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
先日、「AIで収入が上がる人、下がる人」という予測を
お伝えしました。
ご参考:AIで収入が上がる人、下がる人
これは、「AIを使いこなせると収入が上がるし、
使いこなせないと下がるだろう」という内容でした。
その内容とも関係するのですが、
「AIが発展しても、職種はあまり消滅しない」と
私は考えています。
ちまたのネットニュースや書籍では
「AIが人間の仕事を奪う!」といった煽り文句が
出回っていますよね。
たとえば、
「AIの導入によって、日本の労働人口の
49%の仕事が10〜20年以内になくなる」
というニュースを覚えていますか?
これは、野村総研とオックスフォード大学の
共同研究によって2015年に発表された内容です。
ですが、私はこの内容に懐疑的です。
なぜなら、人類の技術革新で消滅した仕事は
イメージほど多くないからです。
たとえば、1950年の米国国税局の職業リストには、
271種類の職種が載っていました。
それから70年以上の月日が流れて、
今ではどれくらいの職種が残っていると思いますか?
世間のイメージでは
「時代が変わって多くの仕事がなくなったのだろう」と
想像する人が多いでしょう。
コンピューターやインターネットの登場で、
多くの仕事が激変してきたからです。
ですが、実際に消滅したのはたった1つ。
つまり、271種類のうち、270種類は残っています。
そして、ただ1つの消滅した職種とは、
エレベーターガールです。
このエレベーターガールにしても、
消滅したとは言えないと私は感じています。
厳密に言えばエレベーターガールは
現代でも一部では残っているためです。
事実、新宿の小田急百貨店に行けば、
今でもエレベーターガールが働いています。
余裕のある百貨店では存続できているので、
消滅はしていません。
また、そもそもエレベーターガールなんて
昔から確固たる需要のあった職種ではないですよね?
70年前であっても、エレベーターの操作くらい
ほとんどの人ができたはずです。
「容姿のいい人を客寄せパンダにしよう」
といった目的でエレベーターガールがいたのです。
元から職種として確立しているわけではありません。
話を戻すと、1950年の職業リストからもわかるように
70年間で社会が激変したところで、
職種そのものが消滅する事例はあまりないのです。
もちろん、仕事のやり方は変わってきました。
「六法全書を開いていた弁護士が
今ではパソコンで情報を検索するようになった」
というように、業務の中身は変化します。
これからの時代の弁護士は、
AIを使って膨大な判例を調べるようになるでしょう。
しかし、だからといって職種が消滅するわけではない。
ですから、「AIで仕事が消滅する!」という言説を
眉に唾をつけて私は聞いています。
ハッキリ言ってしまえば、
AIに便乗して商品を売りたい人のポジショントークか、
保守的な人が新技術におびえているだけに見えますね。
あなたも「AIの脅威」などといった言葉に
あまり心配しすぎないでください。
今のうちからAIに触れておけば、
便利な道具として使いこなせるようになるでしょう。