こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
昨日は教養について書きましたが、
少し抽象的だったので、具体的な事例をご紹介します。
たとえば、進化論について考えてみましょう。
初心者が進化論の実態について
深く理解しやすいのはこの本です。
『フィンチの嘴(くちばし)─ガラパゴスで起きている種の変貌』ジョナサン ワイナー (著) 樋口 広芳 (翻訳), 黒沢 令子 (翻訳)
かの有名なダーウィンが、
進化論の着想を得たと言われるガラパゴス諸島。
かの地に生息する、ダーウィンの名を冠する鳥、
ダーウィン・フィンチの生態を発表したのがこの本です。
一般に進化論というと、遠い過去の話のように
感じるかもしれませんが、この本を読むと
リアルタイムで進化が起きていることがわかります。
この本では、フィンチが環境の変化にあわせて
嘴(くちばし)の形を変える進化をしている事例が
色々と説明されています。
雨季にはどんな嘴のフィンチが増え、
乾季にはどんな嘴のフィンチが減るのか、などなど。
興味深いことに、環境に適応した種ほど配偶者を得やすく、
子孫を残しやすいのです。
しかし、その子孫の時代にまた環境が変化すると
今度はその子孫が環境に適応できなくなって
配偶者を得にくくなり、子孫を残せなくなるのです。
環境への過剰適応は、短期的には良いのですが、
長期的には子孫の代では悪影響があるわけですね。
さて、ここで私たち人間社会について
この話を置き換えてみましょう。
たとえば、私がやっているコンテンツビジネスでも
スマホシフトという環境変化が起きています。
すなわち、スマートフォンを使っているユーザーが
パソコンユーザーよりも多くなったのです。
そして、YouTubeなどの動画を考えてみてください。
わずか数インチのスマホの小さな画面では、
人がたくさん映っていても見ずらいですよね。
1人で映っているYouTuberの人気が出ている
理由の1つはここにあります。
一方で、テレビ番組のほとんどは、
大型液晶テレビで映されることを過剰に意識して
コンテンツが作られています。
ですので、テレビ番組は小さな字幕が入っていたり、
人がゴチャゴチャと映っていたりするのですが
これはスマホの画面では見にくいですよね。
これは、親フィンチは環境に適応したけれども、
その子フィンチが環境に適応できなくて配偶者を得られず
子孫を残せない危機に瀕したのと同じです。
テレビは、大きくなり続ける液晶テレビに
過剰に適応しすぎた結果、そのコンテンツが
スマホという環境に適応できていないのです。
環境に適応しすぎると絶滅するリスクが高まることが
ビジネスの世界でも起こっているわけですね。
今後、テレビ番組の製作会社は、
スマホでも見やすい映像を作れるのでしょうか?
私が興味があるのはそこです。
このように、本質を見ぬくことができれば、
他業種だろうと、人間以外であろうと、
自分のビジネスに応用できるのです。