こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
「税金とか投資の話はよくわからないけど、
『とりあえず稼げばいい』と思ってます」
このように言う人がときどきいます。
起業や副業をしている人の場合、
とくに「稼ごう」という考えが強固かもしれません。
ですが、そういった方に
警鐘を鳴らしたいと私は思います。
なぜなら、お金の価値は変動するため、
知識がないと稼いでも手元に残らないからです。
たとえば、1906年に発表された
夏目漱石の『坊っちゃん』という小説がありますよね。
その『坊っちゃん』の中に
「月給40円で遥々(はるばる)こんな田舎へくる」
といった記述があります。
つまり、主人公の給料は40円だったのです。
『坊っちゃん』の主人公は
東京理科大学の前身である学校を卒業した
立派な教員です。
その教員の給料が40円と記述してあります。
これは、現在の20~40万円くらいの価値が
当時の40円にはあったからです。
1906年頃は家賃、食費、水道光熱費、娯楽費なども
40円あれば余裕で払えたわけです。
ですが、知ってのとおり、
今は食料品ですら40円ではほとんど買えません。
このように時代の変化にともなって
お金の価値は変わっていきます。
こんな話を聞いても
「え、お金の価値ってそんなに変わるかな?」と
あなたは違和感を覚えるかもしれません。
それは、1990年くらいからの日本で
生活してきて時期が長いからでしょう。
というのも、
1990年から2020年くらいまで日本では
あまり通貨の価値が変わっていませんでした。
ですが、これは珍しい現象です。
長い歴史の中でみたら
インフレしていくほうが当たり前だからです。
実際、1990年から2020年くらいに関していても、
世界の多くの国では物価が上がっています。
今後はまた世界的な流れに乗って
日本もインフレしていくでしょう。
とくに最近は、原油や穀物の値段があがって
インフレになってきています。
さらに円安なので為替差損も発生するので、
さらにインフレになると予測されています。
日本と海外のお金の価値の差によって
物価が上がるという意味です。
仮に原油の値段が据え置きでも、
14%の円安になったということは、
原価が14%アップになります。
今は、原油価格も上がっているので、
その分も値上がりするのです。
原油価格が上がるとガソリン価格も上がり、
すべての物流コストが上がるので、
ほとんどの物の値段が上がってしまいます。
すると、あなたが稼いで貯めたお金の価値は
どうなってしまうと思いますか?
『坊っちゃん』の時代の月給40円では
現在はまともに買い物ができませんよね?
それと同様に、今のあなたが貯金したところで
そのお金では将来まともに
買い物ができなくなる可能性があるのです。
にもかかわらず、「お金の勉強をせずに
とりあえず稼げばいい」と言っている人がいます。
そういったお金の知識がない人は、
私からすると注意信号です。
将来、困ることのないように
お金の知識の重要性に気づいてほしい。
実は老後の資産を十分に作れる人やお金持ちは
現金を稼ぎつつ、その現金を別の資産へと
どんどん変えていっています。