こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
カウンセリングやコーチングの仕事をしていると、
すぐに泣いてしまうクライアント(お客さん)に
遭遇することがあります。
たとえば、夫からDVを受けていて、
「どう考えても離婚をしたほうがよい」
と思える女性のクライアントがいたとしましょう。
その人の話を詳しく聞けば聞くほど、
「離婚をする以外、ありえない。他に道はない」
とあなたには思えます。
その際、上記のことをクライアントに
あなたが正直に伝えたと仮定します。
すると、その女性は途端に泣き出しました!
そして、離婚について触れれば触れるほど、
オイオイ激しく泣いて手がつけられなくなる……。
カウンセリングやコーチングをしていると
こんなことって、たまにあります。
その際に、あまりの泣きっぷりに
カウンセラーやコーチがひるむことがあります。
「あれ、私、悪いことをしているのかな」
「もう少し、優しい言い方をすればよかったかな」
「この話題は“腫れ物“なのかな」
このように感じて、離婚について話すのをやめると
そこでクライアントは泣き止むのです。
これ、「引っ掛け問題」なんですよね。
要は、泣いている自分をさらけ出すことで、
「これ以上、離婚の話題には触れないでね!」
とクライアントは思っているのです。
「泣く」のは、防御壁を作る行為ですね。
もしかしたらクライアント本人が無自覚のうちに
「泣く」行動をしているときもあります。
こういう場合、カウンセラーやコーチは
「直面化」するのが正解です。
要は、クライアントが怖くて見たがらない、
厳しい現実(離婚)を直視させるわけですね。
私なら、次のように言います。
「ああ、そういうことですか。
離婚というのはそれほど辛い話題なんですね。
では、この件については触れないでおいて、
別の話をしましょうか?
……なんて、私が優しいことを言うと思います?
絶対に言いません!
あのさ、あなたって、そうやって自分にとって
都合の悪いことからいつも逃げてきたんでしょ!
このパターン、いつまでやり続けるつもりですか?
10年後も、20年後も、同じことをするんですか?
私は別に過去のトラウマを引っ張り出してきて、
グリグリと再トラウマを与えることはしません。
ただ、問題を解決しないまま放置し続ければ、
問題は次第に大きくなっていくだけだと
私は言いたいのです。
ですから、厳しい現実を直視しましょう!
あなたも本当は、もう離婚するしかないって
分かっているんでしょ!」
私はこのように言って、クライアントに対し
「離婚」を直面化するわけです。
そうすると、ようやく腹をくくって、
「わかりました。離婚について真剣に考えます」
と行動してくれるようになります。
このように、多くの人の人生が変わるのは、
厳しい現実を直視したときです。
最後に、ここで質問です。
あなたが、今まで放置してきた
「最も怖いこと」は何ですか?
それを放置することで、将来どんなデメリットが
あると思いますか?