こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
たまに心理学に詳しくない人が
精神科医とカウンセラーを混同していることがあります。
「精神科医に診てもらったけど、
カウンセリングしてくれなかった」
などと見当ちがいな発言をしている人がいるのです。
精神科医とカウンセラーの
ちがいを知らない方のために、
両者の特徴をここで解説しておきます。
まず、精神科医はその名称のとおり「医師」です。
医学部に通って医師免許を取って病院で働きます。
「医療行為」として薬の処方や医学的な検査などを
おこなうのが主な仕事です。
腕のいい精神科医は、
生活習慣のアドバイスもしてくれる場合があります。
言い換えると、長時間のカウンセリングや
心理療法に基づくワークなどはしていません。
そもそも心理学部ではなく医学部出身なので、
カウンセリングなどの知識が少ないのは
しょうがないことです。
もちろん、博識な精神科医も多くいますが、
保険適応外の行為を病院でおこなうのは
制度上も難しいようです。
また、毎日多くの患者が訪れる病院では
1人の診察時間が10~20分程度しかありません。
そのため、精神科医にカウンセリングや
心理療法のサポートを求めるのはお門違いです。
一方、カウンセラーとは、
カウンセリングをおこなう人の総称です。
「カウンセラー」と名乗るだけなら無資格でもいいため
ハッキリ言って玉石混交になっています。
また、カウンセラーは医師ではないため
薬の処方や診断ができません。
その反面、精神科医がおこなうのが難しい、
長時間のカウンセリングや心理療法を
おこなってくれる場合もあります。
そのため腕のいいカウンセラーが見つかると
精神科に通っても症状が変化しなかった人が
メンタル改善できるケースもあるのです。
では、あなたや家族がメンタルの不調を感じた場合に、
精神科医とカウンセラーの
どちらのサポートを受けるといいのか?
いろいろな考え方がありますが、
「まずは精神科医に診てもらってから
カウンセラーも探してみる」というのがおすすめです。
というのも、精神科は保険適応なので
費用があまりかかりません。
また、重症な病気の場合は、
精神科ですぐに対処する必要があります。
病気の種類によっては薬で症状を軽減できるので、
生活しやすくなることもあるのです。
人によっては薬に抵抗があるかもしれませんが、
下手な民間療法よりは
精神科医の標準治療のほうが効果があります。
ただ、精神科に行っても改善しないケースもよくあります。
私の講座の参加者の中にも
「精神科に何年も通っているがメンタルが変わらない」
と言っていた方も多くいました。
それは、前述のとおり精神科医の立場では
根本的なメンタル改善の支援が難しいため
薬などの対症療法になりがちだからです。
あるいは「漠然とした不安がある」など
病名がハッキリしない悩みの場合はあまり役に立ちません。
病院へ行っても「ストレスを減らしましょう」
といった助言を受けるくらいになるためです。
そういった場合は、かなり費用がかかりますが
腕のいいカウンセラーを探したほうがいいでしょう。
精神科医とカウンセラーは
どちらが優れているということはありません。
それぞれが別の役割なので、頼り方を使い分けてください。