こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
心理職の人に必要な能力として、
「相手のパターンを壊す」ことが重要です。
たとえば、とあるお金持ちの経営者が、
ビジネスコーチングを受けたとします。
その人は自己愛が強く、そのコーチに対して
自身の自慢をしたとしましょう。
「私はこんなにたくさんのお金を持っているんだ!」と。
そのとき、実力のないコーチだと
その経営者のパターンを壊せないんですよね。
「へえ、すごいですね! さすがですね!」
とその人を賞賛、承認、肯定するわけです。
こういうコーチは最悪で、本当にレベルが低い。
そうやって賞賛してしまうと、その経営者は
「お金を稼ぎさえすれば、人から賞賛されるんだ」と感じ、
悪いパターンが強化されてしまうからです。
わかりますか?
このとき、実力のあるビジネスコーチなら、
「へー、へー、へー。お金持っているんですねー。
それで、それが、なんだっていうんですかー?
お金の自慢をしても、私は絶対に褒めませんよ」
と毅然として言うことです。
そうすると、その経営者は
「あっ、この人には、自分のパターンが通用しない」
と気づくのです。
そして、その結果、その経営者が
お金の自慢をして、賞賛されようとする
悪いパターンを変える一歩になるわけですね。
このように、実力のある心理職は、
クライアントの悪いパターンを壊すのです。
たとえば、「ダメ人間な自分をアピールして、
人の注意を引こうとするクライアント」なら、
あえて同情をしないで、こう指摘するわけです。
「あなたさあ、これまでの人生ずっと、
そうやって、できない自分を周りに見せて、
人の同情を引いてきたんでしょ?」と。
あるいは、「自分の実績をひけらかして、
人から賞賛されようとするクライアント」なら、
あえて賞賛をしないで、こう指摘するわけです。
「あなたって、自分に自信がないから
そうやって、実績という鎧を誇示して、
強がってみせているんですよね」。
そうやって、あえて相手の誘いに乗らず、
悪いパターンを壊してあげられない心理職は
クライアントの人生を絶対に変えられません。