こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
世の中には「一事が万事」という言葉を交えて、
他人を叱責する人がいます。
「服装の乱れは心の乱れだ。
一事が万事、気をつけなさい」などという人ですね。
「1つの物事(一事)を見て、
すべての物事(万事)を推し量れるから、
1つのミスも見逃してはならない」
といった意味でこの言葉を使うことが多いでしょう。
ただ、私からすると「一事が万事」という考え方は、
認知のゆがみに過ぎません。
1つの現象を見てすべてを決めつけてしまう、
典型的な「過度な一般化」です(苦笑)。
たとえば、世界的なジャーナリストの
マルコム・グラッドウェルは、
「学生の成績と、部屋の汚さ、遅刻の回数、
服装の乱れなどは何の関係もない」
という調査結果を2000年に発表しています。
日常生活がだらしない成績優秀者はいますし、
逆に几帳面でも勉強の苦手な人はいるのです。
あるいは、1992年のクワントレン工科大学の研究で
人間の性格と筆跡にも相関がないとわかっています。
つまり、あなたの文字の美しさ/汚さと、
性格はまるで関係ありません。
「一事が万事」などというのは大嘘で
「一事は一事」でしかないのです。
もちろん、世の中にはこうした事実を知らずに、
「一事が万事」だと思いこんでいる人もいます。
そういった“一事が万事バカ”と付き合うときは、
細かい服装や筆跡などに
あなたも気をつけたほうがいいかもしれません。
どうでもいい部分で、あなたの評価を
不当に下げられてしまう可能性があるからです。
ただ、私であれば“一事が万事バカ”とは、
基本的に距離を離します。
なぜなら、“一事が万事バカ”は
小さなミスやゆるみも許さない考え方をするので、
一緒にいて居心地が悪いからです。
「一事は一事」と捉えられる、
聡明な人と付き合っていきたいと思っています。