こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
世の中には、スポーツ選手の言葉から
気づきを得ようとする人が多くいます。
マイケル・ジョーダンの格言をメモして、
人生の指針にしているような人です。
たしかに、スポーツ選手の
インタビューやドキュメンタリー感動的ですし、
努力の姿勢から学べることはあるでしょう。
しかし、スポーツ選手の話を聞くときは注意が必要です。
なぜなら、スポーツの世界と現実の社会では、
通用する考え方がちがうからです。
そのちがいは、細かく言えば色々とありますが、
非常に大きな差として、スポーツが
「ゼロサムゲーム」になっていることが挙げられます。
ここで言う「ゼロサムゲーム」とは、
経済理論の用語で、参加者の得点と失点の総和が
ゼロになるゲームを指します。
簡単に言い換えると、
「誰かが勝てば、必ず誰かが負けるゲーム」です。
そして、ほぼすべてのスポーツは、
ゼロサムゲームに該当します。
競技中に細かく得点が上下したとしても、
最終的に勝ち星を手にするのは、
片方のプレイヤー(チーム)だけとなるからです。
1つの大会の1つの競技で、複数のプレイヤーが
金メダルを取ることがありえませんよね。
一方で、ビジネスや人間関係などの社会活動は
ゼロサムゲームではありません。
参加者の得点と失点の総和がプラスとなる
「プラスサムゲーム」を作ることができます。
たとえば、あなたがホームページ制作の
ビジネスをしているとします。
その場合に、あるカウンセラーの
売上が増えたからといって、
別にあなたのビジネスの売上は減りませんよね?
むしろ、そのカウンセラーの
ホームページ制作を手伝うことで、
お互いの売上を伸ばし合うことができます。
また、あなたが他の業者とは異なる
独自のサービスをしていれば、
他のホームページ制作会社とも争う必要はありません。
お客さんに貢献し同業者とも共生し合う
いわゆるwin-winの関係が現実に成立し得るのです。
これが、ビジネスの世界がプラスサムゲームの証拠です。
ところが、スポーツ選手は、
長年ゼロサムゲームの世界で戦い抜いています。
そのため、ゼロサムゲームの考え方が、
人生観にまで反映されているケースがあるのです。
結果、スポーツ選手の考え方が、
社会生活では通用しない場合がよくあります。
実際、スポーツ選手が競技を引退して、
起業したり政治家になったりしても、
うまくいかないことが多いですよね?
その理由の1つは、スポーツの世界と現実社会では、
仕組みが異なっているからです。
こうした前提に気づかずにスポーツ選手を盲信すると、
人生はトラブル続きになるので、注意してください。
「アイツを打ち負かして勝利するぞ!」
といったスポーツのような考え方では
ビジネスや人間関係は破綻するからです。