こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
「メンタルを改善したい」と思って、
心理学の専門家を探す人は増えています。
それは素晴らしいのですが、
注意してほしいことがあります。
それは、「臨床経験」が少ない人の元で
メンタル改善をするのは危険だということです。
ここで言う「臨床経験」とは、
過去にクライアントのメンタル改善に携わった
現実の経験のことを指します。
つまり、ただ単に本を読み、
座学で資格を取っただけの人は、臨床経験が0人です。
身内でカウンセリングの練習をした程度の人は、
臨床経験が数十人以下ということになります。
そういった臨床経験が少ない心理職から
助言を受けても、ろくなメンタル改善はできません。
なぜなら、臨床経験が少ないと、クライアントの
“問題”はわかっても、“原因”を見抜けないからです。
たとえば、あなたが
「コツコツと行動を続けられない」
という問題をカウンセラーに相談したとします。
「ビジネスをしていて
少し失敗すると、やめたくなってしまいます。
セミナー講師の方に、相談すればいいのですが、
それ自体が面倒になって挫折するんです」
と。
この「続けられない」という“問題”は
素人でもすぐにわかりますよね。
初心者向けの心理学の本にも、
こうした“問題”はよく記載されているものです。
ですから、レベルの低い心理職は、
嬉々として“問題”について話します。
「わかります。何か続けられないと、
挫折感があって無力感を覚えますよね」
などと、ムダな共感ばかりするのです。
あるいは「では、計画表を作りましょう」といった
しょうもない対症療法をする心理職もいます。
ですが、そんなことをしても、
全く根本的な解決にはなりません。
後日クライアントは、また同じ問題を起こして
「結局、行動を続けられなかった……」などと
同じ苦しみを繰り返す結果となるのです。
では、レベルの高い心理職なら何をするかのか?
それは、“原因”を探って、パターンを変えることです。
たとえば、次のように言うのです。
「あなたは、目上に感じる人に
失敗を隠す癖がありませんか?
そのせいで、セミナー講師に相談できなくなって、
途中まで努力できていたのに、
行動できなくなっているように見えます。
もし失敗しても、目上の人に相談さえできれば、
コツコツ続けられる可能性は高まるはずですよね。
ですから、まずは目上の人に失敗を話すように、
パターンを変えてみてください」
これはあくまで一例ですが、
言いたいこと、わかりますよね?
「続けられない」という“問題”ではなく
「目上の人に対して失敗を隠す」という“原因”を
見抜いて、解決策を話しているのです。
この助言が合っていれば、クライアントは
今後の生活で似たような問題を起こさなくなります。
結果、長期的に人生が変わっていくのです。
この例で言えば、コツコツと行動し、
ビジネスで結果を出して、
プライベートも充実していく可能性が高まります。
これが、本当のメンタル改善です。
ただ、こうしたレベルの高い心理職になるには
当然ながら難しいことです。
なぜなら、前述のとおり、本や教材で学べるのは
“問題”についての知識が大半。
クライアント一人ひとりの“原因”や“パターン”を
見抜くには、膨大な経験が不可欠なのです。
目安で言えば、3000人以上の臨床経験はないと、
的確な助言ができるようにはならないでしょう。
私自身、臨床経験は3000人以上になりましたが、
今でもまだ足りないくらいに思っています。
どうしてかと言うと、ベテランと呼ばれる心理職は、
5000人以上の臨床経験があるからです。
私の「お金の心理学」という講座にも、
そうしたベテランの方が在籍しているため、
自分はまだまだだな、と感じています。
ところが、ちまたの「自称・心理学の専門家」のうち
3000人以上の臨床経験がある人は
全体の10%もいないくらいでしょう。
つまり、世の中の心理職のうち、
90%はまとはずれな助言ばかりする人なのです。
インターネットで検索すると、
膨大な数の「心理学の専門家」が出てきますが、
90%は経験不足だと思ってください。
まあ、誰しも最初は初心者なので、
経験の少ない心理職が存在するのは仕方ありません。
ちょっとした愚痴聞き役をするなら、
そうした駆け出しの方の出番もあるでしょう。
しかし、もしあなたが本当に人生を変えたいなら、
臨床経験が豊富な人から助言をもらってください。
経験不足な心理職から助言をもらっても、
一時的に気持ちが楽になるだけで、
メンタルが根本的に改善することは難しいからです。
同じ問題を何度も繰り返し、
質の低いカウンセリングを受け続ける
無限ループになってしまいかねません。
お金や時間をムダにするのはもちろん、
劣等感や挫折感が強くなることもあるので、
注意してください。