こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
基本的に、嫌なものに対して
「嫌だ」と言った方が、
メンタルの状態は良くなります。
なぜなら、素直な気持ちを
自分自身で尊重できるからです。
たとえば、同僚から嫌な残業を
押し付けられそうになったときは、
「自分だってやりたくないよ」
とハッキリ言った方が良いということです。
嫌であるにもかかわらず、
渋々引き受けたりすれば、他人よりも
自分が下位の存在だと認めているようなもの。
ましてや、苦しいのに
「働けて嬉しいです」などと社交辞令を言って
ヘラヘラ笑うのは言語道断。
その繰り返しによって、
「自分なんて他人に付き従うだけの存在だ」
という認知が、強くなってしまうのです。
ですから、「つらい」「苦しい」「嫌だ」など、
ネガティブな感情も
素直に表現できるといいですね。
ただし、非常に重要な注意点があります。
心理学用語では防衛機制と言うのですが、
“合理化”はしないことです。
合理化とは、自分の心の中の
「悔しさ」や「惨めさ」など負の感情を
誤魔化すために、言い訳をすることです。
たとえば、お金持ちの豪勢な旅行を
テレビ番組で見たとします。
そのときに、
「お金持ちなんて嫌いだしバカだ。
気持ち悪い。自分はなりたくない。
今の生活でいいんだ」
などと言うのは、十中八九が合理化です。
なぜなら、海外旅行をするかはともかくとして、
お金があった方が豊かになれるのは、
目に見えていますよね。
にもかかわらず、無理矢理に
お金持ちを叩こうとしている。
これは自分の中の次のような感情を
押し殺しているのです。
(1)余裕のある生活に憧れる
↓
(2)旅行に行けるのが羨ましい
↓
(3)自分も本当は豊かになりたい
↓
(4)なぜ自分は稼げていないのだろう
↓
(5)自分だって頑張っているのに、悔しい
↓
(6)でも、どうせお金持ちになんてなれない
↓
(7)叶わない夢なら持たない方が楽だろう
こうした多様な自分の思考、感情を
尊重せずに、合理化し、
見て見ぬフリをしている。
このような合理化も、
自己肯定感を下げる結果につな繋がります。
なぜなら、自分の大切な気持ちを
抑えつけて虐待しているからです。
こういった場合は、
「羨ましい! 悔しい!」と言った方が、
自己肯定感が高まって、自然体に近づけます。
努力を楽しめるようにもなります。
すなわち、本質は自分の本心に素直になること。
嫌なものは「嫌」、欲しいものは「欲しい」と
正直に言うのが重要です。
とはいえ、合理化に自分で気付くのは、
ハッキリ言って非常に難しい。
私自身、月々の支払いに困窮していた時期には
「高級料理に興味がない」と言っていましたが、
後から思い返してみれば合理化でした。
本当は食べてみたかった。
ですが当時は、合理化していることすら、
自覚できていなかったのです。
人間は、メンタルがボロボロのとき、
精神を保つために、本心を偽るもの。
心理学の知識のある人から
フィードバックをもらえる環境に身をおかないと、
無自覚なまま、自分を苦しめてしまうのです。
それを放置すれば、知らぬ間に
自分の心を拷問し、終わりのない痛みに、
耐え続ける人生になってしまいます。