こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
デザインの得意な人が起業や副業を始めるときに
たまにやってしまう間違いがあります。
それは、中小企業のお客さんに向けて
「ブランディングデザイン」を売ろうとすることです。
ここで言うブランディングデザインとは、
商品の魅力や信頼感を伝えるデザインを指します。
簡単に言い換えれば、「カッコいい」「美しい」
「かわいい」「高級感がある」などの
イメージアップのためのデザインです。
こういったブランディングデザインのサービスを
中小企業に売ろうとする人がときどきいます。
「デザインの腕には自信があるから、
中小企業の知人からブランディングデザインの仕事を
請けたら食べていけるかも」
などと、甘く考えてしまうわけです。
ですが、どんなにデザインの腕が良くても、
中小企業向けのブランディングデザインで
生計を立てるのは難しい。
なぜなら、ブランディングデザインは
基本的に大企業の贅沢だからです。
というのも、中小企業がデザインに求めるのは
測定できる具体的な結果です。
たとえば、ホームページを作るなら
「商品をたくさん売りたい」とか
「集客数を増やしたい」といった結果を求めています。
そのため、「売れるホームページのデザイン」とか
「集客できるホームページのデザイン」なら
投資を検討するでしょう。
よって、結果につながるデザインを訴求すれば、
デザイナーとして仕事を請けやすくなります。
一方、「カッコいい」「美しい」「かわいい」
「高級感がある」などのブランディングデザインに
中小企業が興味を持つことは滅多にありません。
正確に言えば、多少は興味があったとしても、
お金を投資するには至らないのです。
私自身、自分が携わる販促物において
ブランディングデザインはほぼ気にしていません。
なぜなら、ブランディングデザインにこったところで、
メルマガの登録率とか商品の申込み数などは、
ほとんど増えないからです。
もちろん、ブランディングデザインのおかげで
ポジティブな影響が起きる可能性はあります。
ですが、優先順位は非常に低い。
たとえるなら、
ワールドカップのスポンサーになるのと同じような
大企業の贅沢です。
ワールドカップのスポンサーになれば、
会社のイメージはアップするでしょう。
しかし、莫大な投資が必要なわりには
直接的に売上は上がりません。
同様に、ブランディングデザインも
売上につながらないので中小企業は投資しないのです。
そのため、
中小企業にデザインのサービスを売るなら
ブランディングデザイン以外にする必要があります。
あるいは、ブランディングデザインの仕事を
どうしてもしたいと思うなら
何らかの方法で大企業と契約するしかないでしょう。
このように世の中には大企業相手でしか
成立しないビジネスモデルが多くあります。
この点を見誤るとどんなに努力しても
結果が出なくなるので気をつけてください。
相馬一進