こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
「日本のここがすごい!」
などと、過剰に日本を賛美するテレビ番組が
何年か前から増えましたよね。
ただ、「日本を賛美する番組によって
逆に日本の悪い面が浮かび上がっているのでは?」
と、皮肉に感じることがありませんか?
私は論理の矛盾を見つけるのが得意なので、
テレビ番組の皮肉にもよく気づきます。
たとえば以前、
日本の美的感覚を賛美する番組がありました。
伝統的な工芸品を紹介して
「日本人はセンスがいい!」などと
外国人が絶賛するという内容でした。
ただ、私はその番組に皮肉を感じました。
というのも、たしかに日本の工芸品は美しいのですが
そのテレビ番組の編集自体が、
吐きそうなほどダサかったからです(苦笑)。
ゴテゴテの色付きテロップが入り、
大声で芸人がリアクションを取り、大仰なBGMがかかる。
そんな典型的なダサい番組の編集だったのです。
「美的感覚を伝える番組に、美的感覚がない」
というのは、大いなる矛盾ですよね?
ですが、ネットでこの番組の反響を調べましたが、
ほとんど視聴者はこの矛盾に気付かなかったようです。
それは、テレビ番組のゴテゴテの編集が
現代日本人にとって、当たり前になっているからでしょう。
海外の番組と比べても、
日本の番組はゴテゴテの編集が多いのですが、
そのダサさに麻痺している視聴者が大半だと考えられます。
ということは、ある意味で現代の日本人は、
美的感覚が低下しているのかもしれません。
このように考えると、以下のことが言えます。
・たしかに、日本の伝統工芸品の美的感覚は優れている
・しかし、現代日本人の美的感覚はダサくなっている
「美を伝えるダサいテレビ番組」によって、
こうした皮肉が浮かび上がっていたのです。
さて、このような高い視点から
世の中を観察することは
ビジネスのためにも重要な意味を持ちます。
なぜなら、テレビの内容を鵜呑みにしていると、
まとはずれなマーケティングをしてしまうからです。
たとえば、前述の「美的感覚の皮肉」に気付かないと
必要以上に洗練されたデザインの広告を作って、
費用をムダにしてしまいかねません。
ですから、マーケティングをしている人は、
世の中の変化をよく観察するようにしてください。