こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
まともに心理学を学んでいないカウンセラーや
コーチ、心理セラピストが最近増えてきました。
これは、市場が大きくなっているという点では
とても喜ばしい一方で、
玉石混交(というより石ばかり)になってしまって、
クライアントが良い臨床家を見つけにくいという点では
腹立たしいと言えます。
ここでいうクライアントとは、お客さんのことです。
それで、心理職として最低限のことを学んでいない人だと、
「二重関係はタブーである」ことを知らないのです。
なので、「二重関係についてどう思いますか?」と聞くと、
最低限のレベルに達していない臨床家を
見極めることができます。
二重関係というのは心理学用語で、
「臨床家─クライアント」という関係以外で、
別の人間関係も同時に結ぶことです。
臨床家がクライアントと友達になったり、
恋人になったりすることがわかりやすいでしょう。
「臨床家─クライアント」という関係と、
友達同士あるいは恋人同士という関係と
二重に関係を結んでいますよね。
あるいは、家族や職場の同僚・上司・部下に対して
臨床家がセッションをおこなうことも二重関係です。
また、あるコーチがセミナーをやったときに、
複数人の参加者が集まったとしましょう。
その際、ある参加者が、別の参加者を
自分のセッションをするお客さんにするのも
二重関係と言えます。
言い換えると、「臨床家─クライアント」という関係以外で、
他の関係を結んでしまうとすべて二重関係です。
なぜ二重関係がタブーかというと、
臨床家とクライアントの間で色々な思いが交錯して、
適切な援助がしにくくなるからです。
こういった臨床家の倫理規定を知らない人は、
あまりにも勉強不足すぎるので避けましょう。