こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
これは、私が常々感じることですが、
大衆というのは、良くも悪くも、幻想を求めます。
たとえば、ディズニーなどのアニメだと、
ストーリーの最後で、
「こうして、お姫様と王子様は結婚し、
幸せに暮らしましたとさ。めでたし。めでたし。」
みたいなことが言われます。
こんなのは、ウソに決まっていて、
心理学的に言うと、結婚した年の幸福度は最大ですが、
その翌年の幸福度は下がることが分かっています。
結婚から2年経つと、幸福度はさらに下がり、
3年経つと、幸福度は元に戻ってしまいます。
つまり、正しいストーリーはこうです。
「こうして、お姫様と王子様は結婚し、
結婚した年だけは幸せに暮らしましたが、
幸福度は翌年に下がり、2年後はもっと下がり、
3年後には±0になり、幸せではなくなりました。」
あるいは、キャバクラやAKB48に
はまる男性にしても同様です。
彼氏なんて、いてもおかしくないのに、
いないという幻想を信じこんでいる。
あるいは、映画や小説などでも同様で、
正義が悪を一方的に倒すというような
ストーリーを好む人が多いですよね。
その有名な例が、シェイクスピアの喜劇、
『ヴェニスの商人』です。
ご存知のとおり、あの喜劇では、
金貸しのシャイロックは、ユダヤ人(ユダヤ教)
というだけで、同情されることもなく、悪人扱いです。
そして、最後はキリスト教という正義に
一方的に倒されるわけです。
こういった勧善懲悪のストーリーは、
「絶対的な悪(ユダヤ教)と、絶対的な善(キリスト教)」
という幻想がその前提にあります。
マーケターとして言えば、
人々のそういう考え方を利用して、
物を売りつける方がいいのでしょうが、
私が1人の教育者という視座にたったとき、
大切なのは、幻想から目覚めさせるためには
真実を語すことだと信じているのです。