こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
以前、ある人に、私のチームの
「役割分担」について聞かれました。
それで、これは難しい話だと思ったのです。
ぜなら、役割分担というのは、
主体的な人にとっては「足かせ」になる一方で、
そうでない人にとっては「怠ける道具」だからです。
具体例をご紹介しましょう。
これは、私の会社員時代の思い出です……。
当時、会社内で起きた、ある問題に対して
私が積極的に改善をしようとしたのです。
そうしたところ、ある上司から
こんなことを言われてしまったのです。
「相馬、その仕事は“俺たち”がやらなくていい。
それは他の部署の仕事だからな」と。
私がこれを言われたとき、
その上司に対して落胆したのです。
それは、上司にとっての“俺たち”の範囲が、
「自分の部署」だけを指していて、
「会社全体」を指していなかったからです。
そのときに、私は生意気にも思いました。
「ああ、この人は係長止まりだろうな」と。
まあ、私も若かったですね(笑)。
とは言え、会社全体のためになる改善を
上司から反対されてしまったことで、
私のやる気が落ちてしまったのは事実です。
私の心には、こう浮かんできたからです。
「この上司は自分の部署の役割でなければ、
会社全体のためになろうとも、改善をしないのか」と。
この出来事は、
「私は将来、こういう経営をしたい」という、
1つの原体験になっています。
「自分が会社を経営をするときには、
主体的な人だけを集めたチームを作り、
できる限り役割分担をなくそう」と思ったのです。
なぜなら、どの部署の役割にもならないタスクって
必ずでてくるものだからです。
どんなに完璧に役割分担をしても、
ある部署の役割と、他の部署の役割とのはざまで、
問題が出てくることはよくありますよね。
であれば、役割分担は最小限度にしようと。
そして、漏れたタスクに気づいた人が
主体的にリーダーシップをとればいい。
それが、私たちのチームの価値観の4番目の項目、
「リーダーシップ」、すなわち、
「問題を見つけた人がリーダーであり、
職務の範囲を超えて、その人が問題が解決するまで見届ける」
ということなんですね。
ご参考:エッセンシャルの理念
まあ、世の中には色々な経営者がいて、
色々な経営のスタイルがありますから、
これが正解とは思っていません。
ただ、少なくとも主体的なメンバーだけで
構成されたチームでは有効な方法ですね。