こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
何年か前、私はドバイに行きました。
その理由は、当時のビジネスパートナーのイギリス人が
ドバイに住んでいたためです。
そのときに私が目にしたのは、
ドバイのポジショニング戦略のたくみさでした。
ドバイにはたくさんの世界一があります。
・世界一広い空港
・世界一大きな人工島
・世界一高いビル
・世界一広いショッピングモール
・世界一広い屋内スキー場
・世界一広い水族館
など、とにかく観光に力をいれているのです。
ただし、こういったところを点で見ても
その凄さは分かりません。
点と点をつないで線で考えてみると
その戦略の妙がわかるのです。
ドバイのポジショニング戦略のポイントは、
「イスラム教圏であるという弱み」を
逆手に取っていること。
基本的に、イスラム教圏を観光立国することは
戒律が厳しいのでむずかしいのです。
今やラスベガスを抜いて収益世界一になった
マカオのようには、カジノを作れませんし、
風俗店を作れないからです。
ですので、ドバイは
イスラム教圏の弱みを逆手にとって
「家族向けの観光」に特化しているのです。
また、石油が枯れたドバイは今、
中東の金融センターになるべく
大きく舵をとっています。
しかし、アジアの金融センターの香港(マカオ)のような
独身男性向けを、ドバイは目指さないでしょうし、
絶対に目指せないでしょう。
「家族向けの観光施設を増やすこと」に
フォーカスし続けるのがドバイの正解ですので。
このように、ポジショニングを考えるときは、
まず自分の弱みを直視するところから始まりますね。
「自分の弱みを、どう強みに変えられるか?」
と考えてみてください。