こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
何年か前に私が書いたメールマガジンを
自分で読み返して、気づいたことがあります。
それは、昔に書いたメールマガジンの方が、
文章に勢いやキレ、怖さのようなものがある、
ということです。
それに比べ、最近のメールマガジンは、
とても優しくなっている感じがあります。
「こういう人はクソだ」というように
バッサリと斬る回数が減ってきています(笑)。
その理由は、今の方が精神的に満たされているから、
文章に感情が乗らないのでしょうね。
ロシアの文豪であるドストエフスキーが、
小説『罪と罰』を書いたときの話を
あなたはご存知でしょうか?
ドストエフスキーはバクチで借金を作ってしまい、
その借金を返済するために、『罪と罰』を
締め切りに追われる状況で書いたのです。
おそらく、『罪と罰』という小説から
にじみ出てくる緊迫感は、この状況が原因でしょう。
そのため、借金を返した後に書いた小説、
『白痴』や『カラマーゾフの兄弟』などは
『罪と罰』ほどの緊迫感がないのです。
さて、同様に、経営コンサルタントの
大前研一さんの本を読むと、
昔の本は、「日本を変えるぜよ!」という
強い志が感じられますが、
最近の本は、「もう、日本はあきらめた……」という
あきらめが感じられます(苦笑)。
強い文章を書くには、それを書くときに
強い感情がなければいけない、
ということなのでしょう。