こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
先日、トマ・ピケティの『21世紀の資本』という
728ページ、5,940円の超難解な本が
ベストセラーになったことを書きました。
すると、「この本についての、相馬さんなりの感想を教えて欲しい」
というご意見がありました。
おそらく、この、重さ1kgの本を読みたくないのでしょう。(笑)
この本の解説はいたるところで書かれていますが、
早い話が、現代は富の二極化が進んでいる、
ということでした。
2度の世界大戦などで富のリセットが行われたときは
格差があまりなかったものの、今はまた、
富の格差が生まれているのです。
そして、ここからはこの本の著者の意見ですが、
累進課税などを進めることで、
格差を小さくしたい、とのことでした。
※ただ、私にとっても、この本は難しく、
詳細まではよく理解できなかったことは、
お伝えしておきます。(笑)
私の意見としては、残酷ながら、
この本の著者の願いは叶わないだろう、
と考えています。
今の時代、日本が累進課税を進めても、
日本にいるお金持ちは、税金が安い国へと
持っている資産を移すだけだからです。
日本に限らずアメリカや中国のような大国は、
法人税やら、消費税やら、所得税やら、
色々な方法で税金を取れます。
しかし、世の中のほとんどの国は
日本よりもはるかに面積が小さい国であり、
そういった国はほとんど税金がとれません。
※日本は面積が小さい国のように思われますが、
実際は、世界の全ての国の中で、
面積がトップ1/3の順位に入っています。
それこそ、沖縄くらいの面積しかなくて、
何も資源がない国もたくさんあります。
そういった国は、とにかく税金を低くすることで、
先進国のお金持ちから資産を移してきてもらって
微々たる税金を取る以外に生き残るすべがないのです。
沖縄くらいの大きさしかない小国は
アメリカのような資産がある国と、
同じ税率、同じ税法では対等に競い合えないのです。
この構造上のいびつさがある以上、
先進国のお金持ちのお金は、
税金の安い国へと流れていく、というわけです。
先進国は、自分の国からお金持ちを逃さず、
相続税なりで、税金を沢山取りたいと考えますが、
資産がない国は、税金をほとんどゼロにして、
お金持ちに来てもらうことで
微々たる税金を落として貰いたいと考えます。
両者の立場は完全に対立していて、
解消する方法は存在しません。
水が高いところから低いところに流れるように、
いくら先進国が対策を講じたとしても、
お金持ちの資産は税金が安い国へ流れます。
このようにして、お金持ちの資産は
税金がかからない国へと消えていき、
徐々に資産の格差は大きくなっていくでしょう。
この世界の中に、沖縄くらいの大きさで、
何も資産を持たない国が存在する以上、
格差が大きくなるのに抗うのは難しいのです。