あけましておめでとうございます。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
私は以前、ピーター・セージという起業家が書いた、
『自分を超える法』という本の翻訳に
携わったことがあります。
この本に書かれている事には
99%賛成できるのですが、
どうしても賛成しかねる部分もあります。
それが、ピーター・セージが言うところの、
「やり方の分かる目標は小さすぎる」
という目標設定に関する部分です。
確かに、ピーター・セージは
やり方も分からないような、大胆な目標を設定し、
そして、実際にそれを達成してきました。
彼は、どんな苦境にあっても、
(それどころか無一文になっても)
一発逆転してきていますので、
「やり方が分からないほどの
大きな目標を立てることで、成長できる」
というのは、言わんとすることは理解できます。
ただし、私が多くの経営者を見てきた結果、
間違いなく言えることは、
苦境から一発逆転できるのは、
宝くじが当たるくらい幸運な場合だけである、
ということです。
今の私からすると、ピーター・セージは、
想像を絶するほどのラッキーマンだった、
と断言できます。
苦境から一発逆転を狙うと、
ほんの一握りのラッキーな人だけが成功し、
それ以外の場合は、死屍累々(ししるいるい)、
ということになるのです。
ですから、
「できもしない目標」を設定して、
どうせ達成できず、また翌年、
新しい「できもしない目標」を設定する、
のは、セミナージプシーやノウハウコレクターの
典型的な特徴の1つなのです。
逆に、成功者の特徴は、
どんなに小さくても、コツコツを積み重ね、
設定する目標が、過去の自分自身からみて
現実的な目標になっている、
ということですね。
したがって、目標設定をするときは、
現実的なレベルで目標設定をして頂くことを
ご提案申し上げます。
私自身、『自分を超える法』を翻訳したときは、
良い本だとは思っていましたし、
もちろん今も良い本だと思っています。
しかし、この部分だけは、今となっては、
己の不明を恥じると同時に、
申し訳ない気持ちがあります。
私自身があの本を書いたわけではないですが、
セミナージプシーやノウハウコレクターを
増やす事に加担していた部分が
ささやかにせよ、私にもあったことは、
翻訳者として、深くお詫びいたします。