こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
幼少期に親からDVされた私のような人間にとって、
「親との和解」は人生のテーマです。
「本当は親と和解したい」と思っている人は
数多くいることでしょう。
ただ、心理学に無知な人が
親との和解を望むと、大抵は失敗します。
薄っぺらい自己啓発本には
「親に感謝を伝えましょう」などと載っていますが、
そんな安易な方法で、和解はできないからです。
下手をすると、今までよりも酷い
共依存の関係に悪化するケースもあります。
では、どうすればいいのか?
今回は私自身もおこなった
親との和解の3ステップを解説します。
ステップ1. 親と境界線を引く
まず、最初のステップでは
親と「境界線を引くこと」ですね。
「境界線」については、
私の講座「お金の心理学」で解説しているので、
ここでは詳しくはお伝えしません。
ただ、簡単に言えば、「境界線を引く」とは、
相手と自分の思考や感情を
ハッキリと区別することを指します。
つまり、親と自分の気持を切り分けるのです。
・「親は、自分が大企業に勤めていない現状に
悲しみを感じている」
・「しかし、自分は個人事業主として仕事をして
充実感を覚えている。これが自分の人生だ」
このように境界線を引いて、心理的に自立してください。
もし、境界線を引かずに和解を望むと、
「親に従って、転職しよう」
などと、親の操り人形になりかねません。
できれば、別の場所に住んで
物理的にも親と距離を離すことをおすすめします。
私の場合、起業をして5年くらいは
帰郷もしていませんでした。
この段階はまだまだ精神的に不安定なので、
心理学の専門家にも相談して、
こまめにフィードバックを受けるといいでしょう。
ステップ2.親に報復をする
次に、親に対して報復をしていきます。
つまり、あなたの怒りや恨みを親に伝え、
お詫びの金品や謝罪の要求などするのです。
人によっては「報復なんてしたら、
和解できなくなってしまうのでは?」
と思うかもしれません。
しかし、それは逆です。
報復をせずに親を赦(ゆる)そうとしても、
人間は相手を赦せません。
長年の怒り、恨み、悲しみ、恐怖などが
心にわだかまり、いつまでも消えないからです。
そのため、好きなだけ暴言や悪態を吐いて、
報復するステップが、和解には必要になります。
親への報復については、以前こちらの記事にも
書いたので、あわせて読んでみてください。
ご参考:両親との確執を解消するには
このステップもやり方を間違えると危険なので、
心理職の方にときどき相談するのがおすすめです。
ステップ3.親の生い立ちを聞く
上の1と2のステップで、自立しつつ、
親への負の感情を発散させてきました。
ここまで来たら、ある程度は親と
落ち着いて話ができる状態になっているでしょう。
3つ目のステップでは、親の生い立ちを
本人から詳しく聞いてみてください。
「お父さんの子供時代は、どんなふうだったの?」
などと、インタビューしていくのです。
生い立ちを聞く理由は、
なぜ親が今の価値観になったのかを知るためです。
たとえば、私の父は、
養子に出された上に、養父も離婚を繰り返し、
家族の愛を感じられずに育ったとのことでした。
そういった話を聞くうちに
「父の生い立ちであれば、まともな育児が
できなくて当然だったのかもしれない……」
と、感じられるようになりました。
そして、父に深く同情できたとき、
心から相手を赦して、和解ができたのです。
長い道のりでしたが、胸のつかえがとれたような
深い安らぎを感じることができました。
ただ、ぶり返しのように精神的に
不安定になる日があったので、
やはりときどき専門家に相談していましたね。
以上が、親との和解の3ステップです。
すべてを実践すると、数年以上かかります。
決して簡単ではありませんが、
あなたにとっても、親にとっても、
和解は最高のプレゼントになります。
あなたのご両親が存命であれば、
ぜひ時間をかけて試してみてください。
繰り返しになりますが、各ステップで
専門家に確認してもらうことは重要です。
専門家から客観的な助言を受けて、
軌道修正しながら進めれば、
きっと和解は成功できるでしょう。
ちなみに、今回の3ステップで和解はできますが、
あなた自身のメンタル改善のためには、
もう一声した方が良いことがあります。
それについては、また今度書きますね。