こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
以前、「徹底ライン」についての内容を書きました。
ご参考:撤退ラインはどこですか?
これは、ビジネスにおいては「継続」以上に、
「撤退」についての判断が重要だという話でした。
この内容とも関連するのですが、
何かの専門家が「撤退したほうがいい」と言った場合、
ぜひ重く受け止めてほしいと思います。
なぜなら、専門家が撤退を推奨するときは、
かなり覚悟を持って伝えているからです。
というのも、専門家であっても
ポジティブな助言のほうが気楽にできます。
「社会的に意義があるビジネスですね」とか
「素晴らしい活動ですね」といった明るい言葉は
深く考えなくても口にできるでしょう。
また、合理的に考えても、
大抵はポジティブな反応をしたほうが無難です。
なぜなら、成功しても失敗しても
何かが得られるケースが多いからです。
たとえば、「少額の広告を試してみたい」と
個人事業主の方が話していたとします。
少額の広告であればさほど金はかかりませんし、
短期間でテストできるでしょう。
また、仮にペイできなくて赤字になっても、
マーケティングに活かせる情報が手に入るかもしれません。
どれくらいの人がクリックしたとか、
メールマガジンの登録者は増えたとか
売上以外のメリットが得られる可能性があるのです。
話を戻すと、こうした理由があるため
専門家は相談を受けた場合、
基本的にポジティブな反応をします。
にもかかわらず、「それはやめたほうがいい」とか
「徹底したほうがいいですよ」と話す場合は、
ただごとではありません。
必要もなく険悪なムードを作ったり、
嫌われたりしたいと思う人はいないからです。
私自身、誰かに撤退を勧めるのは、
巨額の費用がかかるとか、法令違反になっているとか
顧客の信用を失うといった場合です。
かなりの覚悟を持って助言しているので、
専門家から撤退を勧められたら、
真剣に受け止めるのがおすすめです。
ちなみに、コンサルタントや講師の中には、
嫌われることへの抵抗があって
撤退の助言ができない人もいます。
そのせいで「素晴らしいですね」「すごいですね」と、
なんでも褒めてしまうのです。
そういった褒めるだけの専門家の言葉は
あなたの承認欲求を満たすかもしれません。
ですが、ビジネスが潰れるほどの
危機につながる可能性もあるので、
信用しすぎないようにしてください。
相馬一進